有限ベクトル空間の基底
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 14:40 UTC 版)
「有限ベクトル空間」の記事における「有限ベクトル空間の基底」の解説
「一般線型群#有限一般線型群の位数」も参照 𝕂 を q-元体(元の数が q の有限体)とし E が 𝕂 上 n-次元とすれば、E の非零ベクトルはちょうど qn – 1 個ある。E の基底—n 個の線型独立なベクトルからなる族—は、以下のような手順の有限回の繰り返しで構成することができる: 基底ベクトルの候補の選び方選び方の数第一の基底ベクトルとして、零ベクトルでない任意のベクトル v1 を選ぶ qn – 1 通り 第二の基底ベクトルとして v1 と共線でない任意のベクトル v2 を選ぶ qn – q 通り 第三の基底ベクトルとして v1, v2 の張る平面上にない任意のベクトル v3 を選ぶ qn – q2 通り 以下同様に…… ⋮ 最後の基底ベクトルとして v1, v2, …, vn–1 の張る超平面上にない任意のベクトル vn を選ぶ qn – qn–1 通り ゆえに E の基底の総数は ( q n − 1 ) ( q n − q ) ( q n − q 2 ) ⋯ ( q n − q n − 1 ) {\displaystyle (q^{n}-1)(q^{n}-q)(q^{n}-q^{2})\dotsb (q^{n}-q^{n-1})} となる。同じ理由で、k 個の線型独立なベクトルからなる族の総数が ( q n − 1 ) ( q n − q ) ( q n − q 2 ) ⋯ ( q n − q k − 1 ) {\displaystyle (q^{n}-1)(q^{n}-q)(q^{n}-q^{2})\dotsb (q^{n}-q^{k-1})} で求まることもわかる。このような族は E の k-次元部分空間を生成し、また任意の k-次元部分空間がこれらの族から生成されることが言えるが、ひとつの k-次元部分空間はその基底のとり方の分だけ重複して数えられることに注意する。よって、羊飼いの補題 により E の k-次元部分空間の総数はガウスの二項係数 ( n k ) q = ( q n − 1 ) ( q n − q ) ( q n − q 2 ) ⋯ ( q n − q k − 1 ) ( q k − 1 ) ( q k − q ) ( q k − q 2 ) ⋯ ( q k − q k − 1 ) {\displaystyle {\binom {n}{k}}_{\!q}={\frac {(q^{n}-1)(q^{n}-q)(q^{n}-q^{2})\dotsb (q^{n}-q^{k-1})}{(q^{k}-1)(q^{k}-q)(q^{k}-q^{2})\dotsb (q^{k}-q^{k-1})}}} で与えられる。
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