書名の読み方について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 18:09 UTC 版)
出版物や報道では「物怪」の読みを「もののけ」としているが、「ぶっかい」とする意見もある。 国文学者の田中貴子は、著書『鏡花と怪異』において、 「ちなみに、ほとんどの人は『いのうもののけろく』と読んでいるが、『国書総目録』では『いのうぶっかいろく』として見出しがあげられている。『物怪』が『もののけ』と読めないことはすでに森正人の指摘があるので、『ぶっかいろく』と音読みすべき」 と指摘した。また自身のブログでも、 「『稲生物怪録』について講演しにいったところ、地元の青年会の人が「いのうもののけろく」と言っていました。これが間違いだということをなぜか誰も言いません。間違いです。『国書総目録』ひいてみてください。「いのうぶっかいろく」で出ていますよ。その他にも例はあります。ちゃんと勉強してください」 と批判した。 だが、森の指摘は中世までのものであって近世には当てはまらず、『国書総目録』の読みが絶対に正しいとは言えない。また「物怪」を「もののけ」と読んだ例は『書言字考節用集』(享保2年(1717年)刊行)等の同時代資料に見られ、「物怪」を「もののけ」と読むのは、少なくとも近世においては誤りではない。
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