日本で知られている海水準の上昇期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/12 16:06 UTC 版)
「海水準変動」の記事における「日本で知られている海水準の上昇期」の解説
第四紀後期と完新世に起きた大規模な海水準の上昇(海進現象)が、日本列島でも知られている。一つ前の間氷期(エーミアン間氷期)の時に起こったのが下末吉海進、現在の間氷期になってから起きた6000年前のものが縄文海進。8世紀から12世紀にかけてのものが平安海進(ロットネスト海進)と呼ばれている。縄文時代後期から古墳時代初頭にかけて海水準の低い時期の可能性があり、北陸海退が提唱されている。 ローズ・フェアブリッジ教授(en)の海水準曲線によると、8世紀初頭の海水面は、現在の海水面より約1メートル低かった。10世紀初頭には現在の海水面まで上昇した。11世紀前半には現在の海水面より約50センチメートル低くなった。12世紀初頭に現在の海水面より約50センチメートル高くなった。『更級日記』で真野の長者の家(現千葉県市川市)が水没した原因はこの海進であるとされる。またこの頃、ヨーロッパは中世の温暖期であった。 その後、海水面は14世紀後半のパリア海退により、現在の海水面から1メートル以上低くなった。16世紀中頃の中世海進により上昇したが、それでも現在の海水面よりは低かった。江戸時代は現在の海水面より約50センチメートル低く、小野忠煕は江戸海退と呼んだ。このパリア海退から江戸海退の時期は小氷期とされる。
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