新生児に対する医療的措置に関する問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 00:16 UTC 版)
「性別の割り当て」の記事における「新生児に対する医療的措置に関する問題」の解説
性特徴が非典型的な新生児に対し、割り当てられた性別に沿うよう、医師と両親、場合によっては医師のみの判断で新生児の外性器の形成や内性器の摘出、性ホルモンを用いたホルモン療法を行われる場合があり、近年では緊急性のない児童に対する医療行為が重大な人権侵害として認識されている。特に、新生児は性別割り当て手術やホルモン治療に合意をする事ができないことや、実際に行われた手術の結果、問題が生じたりすることなどが批判の対象とされる。ただし、新生児の性分化の状態によっては緊急的な医療的な措置が必要な場合もあり、区別が必要となる。 2011年には、出生時に男性と割り当てられた先天性副腎過形成症をもつドイツ人女性、クリスティアン・フォーリング(英語版)が、18歳の時に合意や説明がされないまま女性内性器を摘出されたとして損害賠償を求めた裁判を起こし、同様の件では世界で初めて勝訴した。2015年には欧州評議会は、身体の非典型的な特徴を持つ人に対する合意のない性別割り当て手術は人権の侵害だとし、インターセックスとも呼ばれる身体的特徴の多様性を一律に病理化することを問題とした。2015年の4月には、マルタが世界で初めて、身体的インテグリティと身体的自主性を理由に合意のない性的特徴の変更を違法とした。この法律は関係当事者団体から好意的に受け止められた。
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