文選_(書物)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 文選_(書物)の意味・解説 

文選 (書物)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/10 03:35 UTC 版)

文選』(もんぜん)は、中国南北朝時代南朝梁昭明太子蕭統によって編纂された詩文集。全30巻[1]春秋戦国時代から南朝梁までの文学者131名による・詩・文章800余の作品を、37のジャンルに分類して収録する。以前を代表する文学作品の多くを網羅しており、中国古典文学の研究者にとって必読書とされる。収録作品のみならず、昭明太子自身による序文も六朝時代の文学史論として高く評価される。


  1. ^ 現在最も通行する唐の李善注系統の版本は60巻。
  2. ^ 空海文鏡秘府論』南巻には「南朝梁の昭明太子蕭統の劉孝綽等と『文選』を撰集するが如きに至りては、自ら謂(おも)へらく『天地を畢(つ)くし、諸(これ)を日月に懸く』と」とある。
  3. ^ これは杜甫が生まれた子供に与えた詩で、主要部分は『全唐詩』によれば以下の通りである。「小子何時見,高秋此日生。自從都邑語,已伴老夫名。詩是吾家事,人傳世上情。熟精文選理,休覓綵衣輕。(以下略)」。唐詩では襄陽を歌うときに『文選』が持ち出されることが多いが、これは編者昭明太子が襄陽出身だからである。例えば李頎の『送皇甫曾遊襄陽山水兼謁韋太守』には「峴山枕襄陽,滔滔江漢長。山深臥龍宅,水淨斬蛟鄉。元凱春秋傳,昭明文選堂。風流滿今古,煙島思微茫。」とある。
  4. ^ 南宋の陸游の『老学庵筆記』より。原文の意味は「宋の初め、文人はみな『文選』を真似て詩を作っていたので、使う語句も文選風のものばかりだった。だから、文選を覚えたら科挙の試験は半分通過したようなものだと言われた。その後、あまりに『文選』は陳腐だと言うので蘇軾の文章が流行った。」というものである。
  5. ^ 六臣注は李善・五臣の順で、六家注は五臣・李善の順で注が並べられたものを指す。
  6. ^ ただし歴史評論の類(論・讃・序・述)は例外とする。
  7. ^ 祁小春『「蘭亭序」はなぜ『文選』に採録されなかったか』、 「東アジア研究」32、大阪経済法科大学アジア研究所、2001参照
  8. ^ 袁紹に依頼された作者が曹操の先祖代々の悪事を暴き立てたもの。豫州とは劉備のことで、劉備に極悪人曹操に従わずに我らとともに曹操を倒そうと勧めている。
  9. ^ いわゆる「前出師表」
  10. ^ 鍾会が蜀を攻めたときの降伏勧告文。
  11. ^ 呉の発展を褒め称え、孫晧の暴政による滅亡を悲しむ文。
  12. ^ 令和の出典、漢籍の影響か 1~2世紀の「文選」にも表現 - 毎日新聞


「文選 (書物)」の続きの解説一覧

「文選 (書物)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「文選_(書物)」の関連用語

文選_(書物)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



文選_(書物)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの文選 (書物) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS