性別の分化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 01:45 UTC 版)
先天的な決定で、非常に一般的なものは、男性と女性という性別の決定である。これは、遺伝子において明確な違いが存在するのであり、女性は二つの X 染色体を通常持ち、XX 型の性染色体となる。他方、男性は X 染色体に加えて、それとは異なる Y 染色体を持ち、XY 型の性染色体となっている。このため、性別の基本的な遺伝子的決定は先天的である。この場合でも、遺伝子異常が少数あり、XXY 型とか、XXX 型と云った遺伝子の変異がある。 しかし性別における先天的決定は、遺伝子だけではなく、胎児段階での発生と発達におけるホルモン環境などによっても分化が決まって来ることが分かっている。一次生殖器における男性型と女性型への分化は、胎内での発達で決まって来ているが、これも「生まれる前」であるため、先天的である。また性差は大脳の発達でも現れ、男性の大脳の方が先天的に女性より大きい。また左右大脳半球を繋ぐ神経線維の束である脳梁の太さが男女で差異がある。女性の方が脳梁は太く複雑である。 身体や大脳における解剖学的な性差は、主に性ホルモンの相互作用で決まるが、遺伝子異常でない場合においても、一次生殖器や外性器が誕生時点で男女どちらとも付かない中間の場合がある。性的指向における同性愛や異性愛について、先天的な要因の影響が示唆されているが(例えば出生順の影響説)まだ明らかではない。
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