微分制御
制御対象の質量が慣性効果をもつので入力信号に対応した操作量を加えても、制御量を修正するのに時間遅れを生じることがある。時間遅れがあると操作量をゼロにもどしても制御量の変化が続き、修正が行き過ぎる。この行き過ぎを修正するために逆方向の操作が行われ、これを繰り返しながら目標に一致させていくことになるが、目標値に向けて早く安定状態に到達させるためには、制御量の変化を見越して、時間に対する偏りの変化割合に比例した操作を行う。このような制御を微分制御(D制御)、または微分動作(D動作)という。
反対語 積分制御微分制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/02 09:00 UTC 版)
微分制御は、誤差の単位時間当たりの変化率を用いる。測定値が設定値に素早く近づいている場合、設定値に滑らかに近づけるためにアクチュエータを早めに緩める必要がある。逆に測定値が設定値から素早く離れている場合、その速さに比例して対処する必要がある。 微分制御を備えた制御システムは、より知的に振舞う。炉の温度制御システムや車載の銃やカメラなどの重い機器を動かす制御システムなどで、よくチューニングされたPDI制御システムの微分制御は、熟練した人間の操作者以上に効果的に設定値を維持できる。 微分制御が効きすぎると、やはり振動が発生する。例えば、温度が SP に向かって素早く上昇しているとき、微分制御が効きすぎると SP に到達する前に一旦上昇が止まり、そこから再度上昇するというような動きを示す。
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