形而下学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 14:12 UTC 版)
形而下学は、実体のない原理を研究の対象とする形而上学の反対であって、実体のあるものを対象とする応用科学の学問。 『易経』繋辞上伝にある「形而上者謂之道 形而下者謂之器」という記述に依拠すると、「道」は、世界万物の本質、根源であり、形のないもの。その形のないものがいざ実体のあるものに変遷した場合、『易経』はその状態を「形而下」とし、その状態にある物質を「器」と呼ぶ。「道」は「器」の根源であるに対して、「器」は「道」の発展形。 フランシス・ベーコンによれば、学問を形而下学 (physics) と形而上学の二つに分け、前者は原因のうち質料因や作用因を探求するものとして、自然・博物学(自然誌)と形而上学の中間に位置づける。形而上学は形相因や目的因を扱うものとしている。ベーコンの自然哲学の見地によれば、形相とは物そのもの、あるいは物の性質を構成する基本的要素としての単純性質のことであって、その数は無限にあるようなものではなく、限定されたものである。いわゆる物理法則のようなものではなく、ましてや「物の魂」とか抽象的な原理というようなものではない。これは自然科学の領域だけのことではなく、判例やコモンローの中にも隠されており、慎重な観察や体系的探求により発見できるとする。
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