弥生時代における石剣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 00:50 UTC 版)
弥生時代中期頃より登場するようになった粘版岩製の磨製石剣は、縄文期の石剣とは異なり、銅剣形か鉄剣形か、どちらを模倣したかが明確に分かるほど精巧なものである。一例として、京都府宮津市の日置遺跡からは、長さ33.9センチの銅剣形石剣が耕作中に発見されている(当石剣は、現在、京都府立丹後郷土資料館の保管品)。 鉄剣形は身の断面形が扁平な菱形を成し、銅剣形は身の中央に突起をもち、その左右に溝をつけた有樋式のもので、弥生期の石剣はこの2つに大別される。 近畿における分布は、北部に銅剣形、南部に鉄剣形の分布圏があったという説が出されている。 弥生期の石剣の技術は朝鮮半島由来のものであり、朝鮮の初期金属器時代に造られた石剣は、剣身の部分に樋のあるものとないもの、柄の部分に茎だけのものや把手のこしらえを模したものなど、様々な形式があり、特に半島南部の碁盤型支石墓から発見された有柄式石剣は見事な出来栄えを示すものが多いとされ、その精細な作りから実用品ではないとされる。
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