工学的問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 14:24 UTC 版)
低乱流の中で、断面が均一な形状の背の高い構造物には、カルマン渦列ができてしまう。渦が物体の側面に沿って発生する周期的な横風の力は、工学上望ましくない。エンジニアにとっては、潜水艦の潜望鏡から工業用煙突や超高層ビルまで、さまざまな構造物を設計する際に、渦の影響を考慮することが重要である。 このような円筒体の中心線上に下流側に縦フィンを取り付けて渦が相互に作用して振動するのを防ぐことができる。風向きが複雑なものについては、高い煙突等はに螺旋外階段を設けて非対称の立体的な流れを作り、渦が交互にできるのを抑制することがある。高層ビルの対策として、高さ方向に直径を変化させるテーパリング(先細り)形状を採用することで、ビル全体が同じ周波数で励振されることを防ぐ。 コンクリート製の冷却塔で、特に密集して建てられている場合は不安定になることがある。1965年にフェリーブリッジ発電所Cの3つのタワーが強風のために崩壊したのは、渦の発生が原因であった。 カルマン渦は飛行機にとっても問題であり、特に着陸時に問題となる。
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