局所麻酔とコカイン中毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 01:31 UTC 版)
「ウィリアム・スチュワート・ハルステッド」の記事における「局所麻酔とコカイン中毒」の解説
1884年、ジークムント・フロイトの示唆をうけてコカインによる世界初の局所麻酔(局所麻酔はアイラウの戦いにて足を長時間低温で冷やすとそのようになるという発想から考案され始めた)についてのオーストリア(のち1888年にアメリカに移住)の眼科医カール・コラーの報告書を読み、ハルステッドもコカインの局所麻酔の価値を見出した。ハルステッドは神経遮断麻酔法を考案し、1885年には神経ブロック法と表面麻酔法を発表した。 これらの麻酔法の考案のために、ハルステッド自身や同僚は互いに麻酔の実験をし合ったため、彼らはコカイン中毒になってしまった。同年、『New York Medical Journal』に記事を発表した際、親友でファイアストンの創業者であるハーベイ・ファイアストーンが一貫性のない文章から中毒の重大さを気付き、療養のためのヨーロッパ旅行を進めている。ハルステッドはヨーロッパ旅行に赴き、帰国後はロードアイランド州プロビデンスのバトラー療養所(英語版)で7ヶ月療養を受けた。しかしこの療養所ではモルヒネを使ってコカイン中毒を治そうとしたため、ハルステッドは新たにモルヒネ中毒になってしまった。 薬物中毒は、ハルステッドにニューヨークでの医学キャリアの終わりを告げることとなった。しかしモルヒネ依存症になりつつも、彼はその後も先駆的な外科医としての功績を残していくことになる。
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