城の堀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 02:48 UTC 版)
近世の平地の城には水堀があるが、中世の城の堀はほとんどが空堀である。近世であっても、山城の堀は空堀であることが多い。 堀の幅は、中世には甲冑を着た敵兵に対する弓矢の有効射程を考慮して15間(約27m)程度とされてきた(守備側の弓矢を有効にさせたい場合は15間より狭くする)が、より射程の長い鉄砲が普及すると15間よりも広い堀が必要となった。 通常、堀は幾重にも掘られており、平地の城における外側の堀を外堀、内側の堀を内堀、その中間の堀は中堀(なかぼり)と呼ぶ。城下町を防護する総構えの堀を総堀・惣堀(そうぼり)と呼ぶ。 尾根を仕切るように作られた堀を堀切(ほりきり)、郭(平坦部)の周に沿って造られた堀を横堀(よこぼり)、斜面に縦に造られた堀を竪堀(たてぼり)と呼ぶ。複数の竪堀が横に連接している場合、連続竪堀(れんぞくたてぼり)と呼ぶ。3条以上の連続竪堀を畝状竪堀(うねじょうたてぼり)と呼ぶこともある。曲輪を囲繞する横堀、あるいは腰曲輪から間隔を空けて放射状に配置した多数の竪堀を放射状竪堀(ほうしゃじょうたてぼり)と呼ぶ。
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