国民楽派など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 05:39 UTC 版)
交響詩は、形にとらわれない民族主義的な音楽表現の形態として国民楽派の作曲家にも好まれ、自国の事物や伝説などに基づいた重要な作品が作られた(ロシアについては前述)。オーストリア=ハンガリー帝国に支配されていたチェコ(ボヘミア)では、スメタナが1874年から1879年にかけて連作交響詩『我が祖国』を、1896年にはアメリカから帰国したアントニン・ドヴォルザークがカレル・ヤロミール・エルベンの詩に基づく4曲の交響詩(『水の精』、『真昼の魔女』、『金の紡ぎ車』、『野ばと』)を作曲した。ロシア帝国に支配されていたフィンランドでは、ジャン・シベリウスがフィンランドの叙事詩『カレワラ』による『レンミンカイネン組曲(4つの伝説曲)』(1896年)、『ポホヨラの娘』(1906年)、『タピオラ』(1925年)など、多くの交響詩を作曲した(ギリシャ神話による『大洋の女神』のように民族主義的でないものも含まれる)。イタリアではオットリーノ・レスピーギがローマの歴史や遺跡などをテーマにした『ローマの噴水』(1916年)、『ローマの松』(1924年)、『ローマの祭り』(1928年)の「ローマ三部作」を作曲した。
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