各グレードの詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 10:48 UTC 版)
「スカウティング・スケール」の記事における「各グレードの詳細」の解説
例示した選手像は模式的なものであり、絶対的なものではない。また、各グレードの選手のチーム内での立ち位置について記しているが、これは選手の能力だけでなくチーム状況にも左右されることに注意を要する。 グレード20 20は最低評価である。MLBの各球団は200人ほどの選手と契約していて、下部組織であるマイナーリーグの中で将来のメジャーリーグの戦力として期待される選手はプロスペクトと呼ばれる。プロスペクトの数は多くとも60人ほどであり、半数以上のマイナーリーガーは下部組織の運営のために契約されていて、メジャーリーグに昇格することが想定されていないオーガニゼーショナル・プレイヤーなどと呼ばれる。こうした選手が20に該当する。山崎によれば、日本プロ野球(NPB)の球団が契約している選手は、一軍に出場できない育成選手も含めて30以上のグレードに当たると考えられ、アマチュアや独立リーグの中でドラフト候補と見なされていない選手がこのグレードに該当する。 グレード30 普段は下部組織でプレーしていて、メジャーリーグ(NPBにおける一軍)で故障者などが出た際に昇格してベンチに入るような選手が30に該当する。McDaniel (2020)は20を置かずに35を置き、30にOrganizationalをあて、35にEmergency Call-Upを置いている。Gray (2013)はWell Below-Averageという用語をあてている。 グレード40 このグレードから、一軍で一定の出場機会を得る。勝ちパターンでないリリーフ専門の投手や、レギュラーとして先発出場はせずに代打や代走で出場する野手などが該当する。Gray (2013)はBelow-averageという用語をあてている。 グレード45 プラトーン起用される野手や、平均的な先発ローテーションの5番手、投手層が薄いチームのセットアッパーなどが該当する。 グレード50 グレード50が平均的なレギュラー選手に該当することを根拠に、スカウティングスケールが設計されている。野手ではレギュラー選手の多くが該当する。投手では。投手層が厚いチームの3,4番手の先発、平均的なセットアッパーなどが該当する。Gray (2013)はAverageをあてている。 グレード55 55より優れたレギュラー選手に与えられる。 グレード60 野手では、リーグ20位以内の打撃成績を残すコーナーポジションの選手や、打撃はそれより劣るセンターポジションの選手に与えられる。投手では、平均的な先発1番手か傑出したリリーフ投手などに与えられる。グレード60は、チームを代表する中心選手といえる。Gray (2013)はPlusという用語をあてている。 グレード70 野手では、攻守を含めた貢献で両リーグのトップ5に入る選手に与えられる。投手では、球界を代表する先発投手に与えられ、リリーフ投手にはふつう与えられない。グレード70は、リーグを代表する選手といえる。Gray (2013)はPlus-Plusという用語をあてている。 グレード80 80は最高評価である。グレード70まではリーグに該当する選手がいるが、80は各年代に1人いるかどうかの希少な選手で常にいるとは限らず、いればリーグの最高の選手であると言える。山崎 (2020)は、2018年から2020年までの柳田悠岐が80に該当するか確言できないとして、希少さを強調している。山崎は、NPBでの例として全盛期の野村克也、渡米前のイチロー、2010,11年のダルビッシュ有を挙げている。Gray (2013)はTop Endという用語をあてている。80に収まらない、球史の中で圧倒的な成績を残した選手にグレード90が置かれる場合があり、マイク・トラウトをここに入れるべきだという意見があるという。また、山崎はNPBでは全盛期の王貞治が90に該当するとしている。
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