菜箸
取り箸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 06:30 UTC 版)
日本では、各自が食べるものがそれぞれの器に必要量取り分けて供される個食化、および、各個人が使う食器がそれぞれ各人に固定されている食器の属人器化が一般的であり、多人数で共用する大皿料理や鍋料理には通常取り箸や共用匙が置かれ、これを使用して取り分ける。自身が使用している箸で直接取る直箸は非衛生的でマナー違反とみなされる。取り箸がない場合、箸を口につける前に取り分けたり、箸の口につけない頭側の端を使って取り分けることもしばしば行われる。 中国では来客に自分の箸で取り分けるのが親愛の情の表現とされるが、最近は公筷(公用箸)・公勺と呼ばれる取り箸・共用匙の利用が推進されている。特に2003年の新型肺炎発生以降、香港、シンガポール、中国でレストランや家庭において公筷公勺の使用が積極的に推進された。 香港では香港医学会を中心に「公筷公羹 安全衛生」キャンペーンが2005年から繰り広げられている。取り箸・共用匙の使用は2003年には46%だったが、2005年には65%に増加した。シンガポールでも新型肺炎以降、レストランにおける公筷公勺の使用が強化された。元々生活が洋式化されており、これが取り箸・共用匙の利用が促進される一因となっている。一方、中国では新型肺炎後、中高級ホテル・レストランでの公筷公勺の使用が推進されたが、罰則もなく利用者も必要性を感じないため2005年時点では徐々に廃れていっていることが懸念されている。 朝鮮料理ではバンチャン(반찬, 飯饌)やチゲは通常直箸直匙であるが、朝鮮料理の世界化を目指す上で取り箸や共用匙の使用を薦める意見もある。
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