分数群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:06 UTC 版)
半群 S の分数群あるいは商の群 (group of fractions) G = G(S) とは、S の元全体で生成され、S において成立する xy = z の形の等式すべてを基本関係とするような群である。商の群は S から群への射に対する普遍性を示す。 明らかに S の各元を G(S) の中の対応する生成元に写す写像が存在する。重要な問題として、この写像が埋め込みとなるような半群の特徴づけの問題がある。必ずしも埋め込みとならないことの例として、S をある集合 X の部分集合が交わりを演算として成す半群がある(実は半束を成す)。これは、S の任意の元が AA = A を満たすから G(S) の生成元もすべてそうでなければならず、したがって G(S) は自明群となっている。問題の写像 S → G(S) が埋め込みとなるためには S が消約律を満たすことが必要となるのは明らかである。S が可換ならばそれは十分条件にもなり、かつ半群のグロタンディーク群が分数群の構成を与える。非可換半群に対するこの問題は半群について本格的にあつかった最初の論文 (Suschkewitsch 1928) で追求されている。アナトリー・マルチェフ(英語版)は1937年に埋め込み可能性についての必要条件を与えている。 「商体」および「環の局所化」も参照
※この「分数群」の解説は、「半群」の解説の一部です。
「分数群」を含む「半群」の記事については、「半群」の概要を参照ください。
- 分数群のページへのリンク