出アフリカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 09:22 UTC 版)
「バブ・エル・マンデブ海峡」の記事における「出アフリカ」の解説
約20万年前に東アフリカの大地溝帯で誕生した現生人類は、約7万年前の最終氷期の始まりにより気候が乾燥化し、草原および狩りの獲物が減少したために移住を余儀なくされ、海水準が降下したためにバブ・エル・マンデブ海峡の幅が11kmほどに縮まった時に、海峡を通じてアラビア半島南部へ渡ったとする仮説がある。 当時もアラビア半島内陸部には砂漠が広がり、人類の生存に適していなかった一方で、海水準の低下によりアラビア半島南部沿岸は今よりも陸地が広く、インド洋のモンスーンを水源とする、淡水の湧くオアシスが点在し、それを頼りに海岸沿いに移動したとされる。現在のイエメンからオマーンにかけての陸地に、約7万年前から約1万2000年前までの間、人類が住んでいた痕跡がある。オマーンには現在でも当時の名残を思わせるドファール山地が存在する。アラビア半島を海岸沿いに反時計周りに移動すれば、ペルシャ湾へと到達する。ペルシャ湾は現在平均水深50mほどの浅い内海で、当時はホルムズ海峡のあたりまで、周囲から河川が流れ込む水と緑の豊かな陸地(峡谷)だったと考えられている。人類はそこからさらにメソポタミアやヨーロッパやアジアやオーストラリアや南北アメリカに拡散したとされる。約1万2000年前に氷期が終わり、海水準の上昇により海中に没したそれらの陸地を、「エデン」に比定する仮説もある。
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