肥満遺伝子は、エネルギー代謝に関連する遺伝子です。現在までに50を超える関連遺伝子が発見され、β3アドレナリン受容体(β3AR)、脱共役たんぱく質1(UCP1)、β2アドレナリン受容体(β2AR)などの遺伝子変異と肥満との関係が明らかにされています。
β3ARの変異をもつ人は中性脂肪の分解が抑制され、基礎代謝量が低くなります。倹約遺伝子とも呼ばれ、エネルギーを節約できる体質の者だけが生存できるような飢餓時代をへて、変異したものと考えられていますが、今日の日本のような食生活の豊かな環境ではエネルギーの過剰摂取から肥満をまねきやすい要因となります。
UCP1の変異をもつ人では、エネルギーを燃焼させる多胞性脂肪細胞(褐色脂肪細胞)の働きが低下しており、やはり基礎代謝量が低くなりますが、β2ARに変異をもつ人は逆に、基礎代謝量が多く、太りにくい体質とされます。
日本人のおよそ3人に1人がβ3AR、4人に1人がUCP1の肥満遺伝子をもっていると推定されていますので、太りやすい体質の人が意外に多いことになります。
肥満遺伝子
読み方:ひまんいでんし
別名:倹約遺伝子
別名:倹約遺伝子
アドレナリン受容体
倹約遺伝子と同じ種類の言葉
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