倒立式 (倒立フォーク)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 03:40 UTC 版)
「フロントサスペンション (オートバイ)」の記事における「倒立式 (倒立フォーク)」の解説
倒立式フォーク(Upside-down fork/USD fork)とは、従来のテレスコピックフォークではインナーチューブを上(ステム側)に、アウターチューブを下(車輪側)に配置されていたのとは逆に、アウターチューブを上に、インナーチューブを下に配置した形式である。反転式フォーク(inverted fork)とも呼ばれる。長尺物にとっては支点側が太い方が自然であり、曲げ応力が最も大きく作用するアンダーブラケット部分でアルミ合金で鋳造された太いアウターチューブを固定するため、テレスコピックフォークの弱点の一つである曲げに対する剛性が向上する。また正立式のようにクランプ部がストロークを邪魔しないので嵌合長やストローク長が稼げる。これらの特徴から1990年前後に剛性とストローク長を必要とするオフロードレーサーから普及し始めた。ちなみに二輪車メーカー公式サイトの用語集にすら間違った解説がされているなど誤解が広まっているが、倒立の目的にバネ下重量は関係がなく、それどころかインナーチューブは鋼製のためアルミ合金製のアウターチューブよりかなり重い。これはフォーク単体を手に取れば分解せずとも分かるほど顕著である。 またフリクションダンパーを用いる安価な原付車両では上側がアウターチューブ(多くはブラケットと一体化している)のものも一般的であるが、こちらは特に倒立式とは呼ばれない。
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