作者の死とは? わかりやすく解説

作者の死

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/16 20:38 UTC 版)

「作者の死」(さくしゃのし、英語 The Death of the Author)は、フランス哲学者ロラン・バルト1967年に発表した文芸評論論文[1]。バルトはテクストは現在・過去の文化からの引用からなる多元的な「織物」であると表現し、作者の意図を重視する従来の作品論から読者・読書行為へと焦点を移した[2][3][4]


  1. ^ a b 岩手大学人文社会科学学部 平成12年度後期 フランス文学特講I(後藤尚人)Résumé
  2. ^ 荒井訓本を読むことの現在」『文化論集』第25号、早稲田商学同攻會、2004年9月、 245-281頁、 ISSN 09184589NAID 120000792041
  3. ^ 浅野 麗・小野祥子・河野龍也・佐藤淳一・山根龍一・山本 良 編著 大学生のための 文学トレーニング 現代編
  4. ^ 内山加奈枝「近代以降の読者と批評家 : 「この私」の批評の困難をめぐって」『日本女子大学紀要. 文学部』第64号、日本女子大学、2014年、 13-32頁、 ISSN 0288-3031NAID 120005574876
  5. ^ a b 吉川登「ロラン・バルトのテクスト理論について-1-鑑賞学の基礎づけのために」『熊本大学教育学部紀要 人文科学』第40号、熊本大学、1991年、 81-87頁、 ISSN 0454613XNAID 110000953328
  6. ^ 浅沼圭司作者,その生と死 : ロラン・バルトの所説をめぐって」『美學美術史論集』第4巻第1号、成城大学、1984年8月、 3-38頁、 ISSN 09132465NAID 110000312707
  7. ^ In theory: The Death of the Author Andrew Gallix Wed 13 Jan ‘10 15.36 GMT
  8. ^ Aspen no. 5+6: The Minimalism issue
  9. ^ 石原千秋『読者はどこにいるのか 書物の中の私たち』第2章
  10. ^ Adrian Wilson Foucault on the "Question of the Author": A Critical Exegesis The Modern Language Review Vol.99, No.2 (Apr., 2004), pp.339-363, doi:10.2307/3738750
  11. ^ 星野太 作者 | 現代美術用語辞典ver.2.0
  12. ^ 痕跡・死・滞留―ジャック・デリダの写真論『留まれ、アテネ』を中心に―吉松覚
  13. ^ Harvey Hix Morte D'Author: An Autopsy
  14. ^ 野崎歓「作者と訳者の境界で」(日本近代文学会関西支部『作家/作者とは何か』所収)


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作者の死

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ロラン・バルト」の記事における「作者の死」の解説

詳細は「作者の死」を参照 バルト仕事中でも頻繁に議論されるのが、『物語構造分析』に収録されている「作者の死」である。本稿バルトは、現代においても、大きな支配的な概念となっている「作者」という概念疑問投げかける私たちは、ある芸術作品鑑賞するとき、その作品説明その作品生み出した作者求めがちである。これは、作品鑑賞するということは作者の意図正確に理解することであるという発想である。このことから、たとえばボードレール作品ボードレールという人間挫折のことであり、ヴァン・ゴッホ作品とは彼の狂気であるという発想導き出せる。しかし、バルトは、この発想を「打ち明け話である」として批判するこのように作者=神という発想ではなく作品とはさまざまなものが引用され織物のような物であり、それを解くのは読者であるとして、芸術作品に対してこれまで受動的なイメージしかなかった受信者の側の創造的な側面本稿強調した。この概念は、後年バルト作品でもよく言及されている。たとえば、『テクスト快楽』においても、この概念についての論考見られる(『テクスト快楽p120)

※この「作者の死」の解説は、「ロラン・バルト」の解説の一部です。
「作者の死」を含む「ロラン・バルト」の記事については、「ロラン・バルト」の概要を参照ください。

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