他の生化学的過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/14 23:49 UTC 版)
哺乳類はメチオニンを生合成できないが、様々な生化学的過程において利用している。メチオニンはメチオニンアデノシルトランスフェラーゼによってS-アデノシルメチオニンに変換され、これはメチルトランスフェラーゼによるメチル基移動(メチル化)に用いられる。メチル基の移動後は S-アデノシルホモシステイン (SAH) となり、アデノシルホモシステイナーゼでホモシステインに変換される。 ホモシステインの行く先は2つある。1つはメチオニンシンターゼまたはBHMTによってメチオニンに戻る経路で、もう1つはシステインに変換されるスルフレーション経路である。後者では、まずシスタチオニン-β-シンターゼでセリンと結合されてシスタチオニンとなる。次に(上記の生合成過程ではシスタチオニン-β-リアーゼで分解されるが)、シスタチオニン-β-リアーゼによってシステインと α-ケト酪酸になる。さらにα-ケト酸デヒドロゲナーゼによってα-ケト酪酸はプロピオニルCoAに変換され、最終的にはスクシニルCoA(コハク酸CoA)へと代謝される。 プロピオニルCoAはビオチン依存性酵素であるプロピオニルCoAカルボキシラーゼによって (S)-メチルマロニルCoAに変換される。この生成物はさらにメチルマロニルCoAエピメラーゼによって (R)-メチルマロニルCoAに変換される。(R)-メチルマロニルCoAは、メチルマロニルCoAムターゼによってスクシニルCoAに変換されるが、この酵素は炭素-炭素結合の移動を触媒するためのコバラミン(ビタミンB12)を要する。
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