事故発覚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 01:39 UTC 版)
28日 この頃には体調不良者が複数名となっていた。ガブリエラは光る粉が原因であると確信し、従業員とともに、転売先の解体工場から線源容器を取り返し、Hに持たせて2人で地元の保健当局事務所に向かう。ガブリエラは事務所の医師Jに線源容器の入ったカバンを渡し、「これがわたし達全員を殺そうとしている」と訴えた。医師Jは事務所の庭にそれを放置して2人を熱帯病病院に向かわせた。 熱帯病病院では、同様の症状の者が数人受診しており、ガブリエラも同様に流行性の熱帯病と診断された。しかし医師Kは、一連の患者の一部に見られる皮膚病が放射線皮膚炎ではないかと疑い始めた。医師Kが、かつての同僚で中毒情報センター上級医の医師Lに相談したところ、医師Lは保健当局の医師Jからも相談を受けていたことが判明した。保健当局事務所に置かれたカバンの中身が放射性物質ではないのかという危惧が3人の医師の間で一気に高まった。 29日 8:00 たまたまゴイアニアにいた放射線医学専門家の医師ワルター・メンデス・フェレイラ (Walter Mendes Ferreira) が連絡を受け、線量計を持って問題のカバンのある事務所に向かった。しかし建物の前で測定器が振り切れたので故障と思い、すぐに代替の線量計を持って事務所に向かったが同じように振り切れた。この時使われた線量計はウラン鉱脈探査のために使われるもので、人工の放射線源を探索するには感度が高すぎ、ここでワルターは測定不能な放射線源がそこにあると認識した。医師Mは建物内の人にすぐに避難するよう呼びかけた。 12:00 ワルターは医師Jの話を聞き、デヴァイルの解体工場に向かったが、周辺はどこも線量計の針が振り切れる汚染状態だった。2人の医師はデヴァイルをはじめとした周辺の住民に避難を要請した。 22:00 ロベルトが発見され、放射性物質が最初に漏れた場所とその後の汚染範囲が判明した。 周辺住民は市内のオリンピックスタジアムに隔離され、計11万2000人がホールボディカウンターによる計測を受け、249人に汚染が認められた。除染を受けたのちに重症者は海軍病院に入院した。
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