不時着水 (diching)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 04:51 UTC 版)
「緊急着陸」の記事における「不時着水 (diching)」の解説
水上に不時着することをいう。着水した航空機は、水に浮くように設計されたものを除き、やがては沈没してしまう。ただし、損傷の程度によっては、数時間にわたって浮いている場合がある。
※この「不時着水 (diching)」の解説は、「緊急着陸」の解説の一部です。
「不時着水 (diching)」を含む「緊急着陸」の記事については、「緊急着陸」の概要を参照ください。
不時着水
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 23:52 UTC 版)
「パンアメリカン航空006便不時着水事故」の記事における「不時着水」の解説
このとき006便はハワイとアメリカ本土のほぼ中間地点にあった。増大した抗力と燃料の残量から計算したところ、サンフランシスコに向かうこともホノルルに引き返すことも不可能であることがわかった。乗員は不時着を予期し、午前1時22分、付近にあったアメリカ沿岸警備隊の気象観測船(en:Weather ship)「ノベンバー」に不時着の可能性を通報した。 1950年代当時の沿岸警備隊は、カリフォルニア・ハワイ間の海上定点に置いた気象観測船にそれぞれ警備艦(カッター)を一隻ずつ交代で配備していた。この晩「ノベンバー」の担当は「ポンチャートレイン」(en:USCGC Pontchartrain (WHEC-70))であった。この艦には、航空機に無線標識信号や気象情報を発信したり、緊急時には救助も行う役割もあった。そこで機長は「ポンチャートレイン」のそばに不時着水することを決断した。当日の天候が比較的穏やかであったことも幸いであった。 着水時は翼面を水面と平行にすることが重要であり、また燃料を消費しておけば機体が軽くなり着水後に長く浮いていられるため、機長は夜明けを待つこととした。006便は残り二基のエンジンで同艦の上空2,000–5,000フィート (610–1,520m) を旋回し、その間着水に向けて機体の挙動を確認した。 夜が明けた午前5時40分、006便の機長は「ポンチャートレイン」に不時着水の決行を伝えた。同艦は、水面の高さが006便から見やすくなるように、理想的な進入方向を示す泡の「道」を水面に描いた。着水は午前6時15分、速度90ノット (167km/h) で行われた。 乗客はライフジャケットを装着し、機体前部の座席に身を寄せてそのときに備えていた。この措置は以前同型機が不時着水した際、衝撃で機体後部が分断される事故が発生していたためである。実際に006便の機体も分断されたが、31名の搭乗者全員が脱出に成功し、沿岸警備隊により救助された。わずかに数名の軽傷者を出したのみであった。機体は全員の救助が完了してからおよそ3分後、午前6時32分に水没した。なお、このとき貨物室に積まれていた44箱の生きたカナリアも海に沈んだ。 乗客は、2日後に沿岸警備隊の船でサンフランシスコに帰還した。 事故原因は、第一プロペラのフェザリングが不可能となる機械的故障および、第四エンジンの動力が完全に失われる機械的故障が発生したことと推定されている。エンジントラブルの原因は機体が水没したため不明だが、同型機のエンジンが過回転に陥る事態はしばしば発生しており、大型レシプロエンジンは油圧系統あるいは燃料供給に問題があったといえる。そのため当局は改修を指示した。
※この「不時着水」の解説は、「パンアメリカン航空006便不時着水事故」の解説の一部です。
「不時着水」を含む「パンアメリカン航空006便不時着水事故」の記事については、「パンアメリカン航空006便不時着水事故」の概要を参照ください。
「不時着水」の例文・使い方・用例・文例
- 飛行機を不時着水させる
- 不時着水のページへのリンク