一般合成樹脂用安定剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/28 23:00 UTC 版)
「合成樹脂添加剤」の記事における「一般合成樹脂用安定剤」の解説
熱による酸化劣化を防止するものを酸化防止剤、光(主に紫外線)による酸化劣化を防止するものを光安定剤と総称する。ポリプロピレンやABS樹脂など、塩ビ以外のほとんどの合成樹脂に使用される。 酸化防止剤 ラジカル捕捉作用を持つフェノール系・芳香族アミン系酸化防止剤、過酸化物分解作用を持つ硫黄系・リン系酸化防止剤が用いられる。芳香族アミン系酸化防止剤は変色性が強いため、プラスチックに用いることは稀である。フェノール系酸化防止剤 ラジカル捕捉剤として、熱酸化の過程で生じるペルオキシラジカルを捕捉する。熱酸化防止作用に優れ、ほとんどのプラスチックに添加されている。リン系・硫黄系酸化防止剤との相乗効果もある。 硫黄系酸化防止剤 分解生成物であるヒドロペルオキシド(ROOH)を安定なROH基に変換する。日本では住友化学(商品名スミライザー)やADEKA(アデカスタブ)などが製造している。 リン系酸化防止剤 硫黄系と同様、ヒドロペルオキシドを分解する。 光安定剤 連鎖開始阻害作用を持つ紫外線吸収剤と、ラジカル捕捉作用を持つヒンダードアミン系安定剤、双方の作用を併せ持つベンゾエート系安定剤に大別できる。ベンゾエート系安定剤は着色を生じるが、自動車用バンパーなどに使われている。紫外線吸収剤 紫外線を吸収し、プラスチックに無害な運動エネルギーや熱エネルギーに変換する。主にベンゾトリアゾール系とベンゾフェノン系が使われる。 ヒンダードアミン系安定剤 紫外線により生成したラジカルを捕捉し、着色防止・光沢保持の効果をもたらす。熱酸化の防止にも有効である。
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