ユニタリ
ユニタリ性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 21:52 UTC 版)
「シュレーディンガー方程式」の記事における「ユニタリ性」の解説
ハミルトニアン ^H の自己共役性と時間発展演算子 ^U の初期条件から、時間発展演算子がユニタリ演算子であることが分かる。時間発展演算子の微分方程式 d d t U ^ ( t ) = 1 i ℏ H ^ U ^ ( t ) {\displaystyle {\frac {d}{dt}}{\hat {U}}(t)={\frac {1}{i\hbar }}{\hat {H}}{\hat {U}}(t)} およびその共役演算子に関する微分方程式(ここでハミルトニアンの自己共役性を利用する) d d t U ^ † ( t ) = − 1 i ℏ U ^ † ( t ) H ^ {\displaystyle {\frac {d}{dt}}{\hat {U}}^{\dagger }(t)=-{\frac {1}{i\hbar }}{\hat {U}}^{\dagger }(t){\hat {H}}} より時間発展演算子とその共役の積は d d t ( U ^ U ^ † ) = d d t ( U ^ † U ^ ) = 0 {\displaystyle {\frac {d}{dt}}({\hat {U}}{\hat {U}}^{\dagger })={\frac {d}{dt}}({\hat {U}}^{\dagger }{\hat {U}})=0} を満たす。初期条件 U ^ ( 0 ) U ^ † ( 0 ) = I I † = I 2 = I {\displaystyle {\hat {U}}(0){\hat {U}}^{\dagger }(0)=II^{\dagger }=I^{2}=I} より任意の時刻について時間発展演算子はユニタリ性を持つ。 U ^ ( t ) U ^ † ( t ) = I . {\displaystyle {\hat {U}}(t){\hat {U}}^{\dagger }(t)=I.} 時間発展演算子がユニタリ演算子である場合、状態ベクトルの内積は保存される(つまり、状態ベクトルの内積は時間によらず一定である)。 ⟨ ψ ( t ) | ψ ( t ) ⟩ = ⟨ ψ 0 | U ^ † ( t − t 0 ) U ^ ( t − t 0 ) | ψ 0 ⟩ = ⟨ ψ 0 | ψ 0 ⟩ . {\displaystyle \langle \psi (t)|\psi (t)\rangle =\langle \psi _{0}|{\hat {U}}^{\dagger }(t-t_{0}){\hat {U}}(t-t_{0})|\psi _{0}\rangle =\langle \psi _{0}|\psi _{0}\rangle .} 後述するように状態ベクトルの内積が保存することは、物理的には測定に関する確率の保存則として理解できる。
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