ボイシングおよびボイス・リーディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 20:24 UTC 版)
「ポピュラー和声」の記事における「ボイシングおよびボイス・リーディング」の解説
クラシック音楽におけるボイシング voicing(声部の配分)およびボイス・リーディング voice leading(声部の導き方)は、各旋律の独立性を重視した声部の書法 part writing が主であるが、ポピュラー音楽では、ある声部に和声的な厚みを持たせるためにその声部に従属した声部を配置するというセクションの書法(セクショナル・ハーモニー・英 sectional writing)も頻繁に用いられる。 セクションの書法ではクラシックの古典的和声における禁則がしばしば出現するが、これはほとんどの場合問題ではない。クラシックの古典的和声は対位法(声部の書法)の影響を色濃く受けているため、クラシックの古典的和声における禁則は対位法的な理由から禁止されているからである。対位法では、すべての声部は音楽的に対等な旋律を奏でるので、声部の独立性を阻害するボイシングは避けられるのである。対位法やクラシックの古典的和声では、すべての声部は音楽的に対等であり、どの声部が主でどの声部が従という奏で方はしないのである。 一方、セクションの書法では、明らかに主である旋律があり、その旋律に和声的な厚みを付けるために他の声部を従属させて配置する。ここでは、従属する声部に旋律的な独立性を持たせることは控えられ、ただ主となる旋律に和声を提供する役割を持つ。このため、クラシックの古典的和声における禁則は、セクションの書法ではほとんど意味を持たなくなる。しかしながら、早いパッセージで平行五度を避けるなど、クラシックにおける禁則の一部はセクションの書法でも良いアドバイスとなっている。 クラシック音楽でセクションの書法がまったく用いられないわけではないが、主ではない。
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