プリムス・ストーブ
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プリムス・ストーブ(Primus stove)は、スウェーデン、ストックホルムの工場技術者フラン・リンドクヴィストが1892年に開発したケロシン燃料を使用する加圧式ポータブルストーブである。
- ^ Swedish Patent No. 3944 (Nov. 19, 1892)
- ^ “Primus”. Primus website. Primus AB. 2009年5月8日閲覧。
- ^ Primus Catalog No. 2 (Sept. 1, 1897)
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- ^ C. Hale, “Domestic Science, Part II” pp.81-82 (Cambridge University Press 1916)
- ^ Primus Catalog No. 2, p.3 (Sept. 1, 1897)
- 1 プリムス・ストーブとは
- 2 プリムス・ストーブの概要
- 3 関連項目
プリムス・ストーブ
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「ポータブルストーブ」の記事における「プリムス・ストーブ」の解説
詳細は「プリムス・ストーブ」を参照 プリムスとは世界初の加圧式液体燃料ストーブであり、1892年にスウェーデンのフラン・リンドクヴィストによって発明された。その原理はブロートーチをベースにしたケロシン(灯油)を燃料とするものであり、リンドクヴィストはJ.V.スヴェンソンと共にen:Primus ABを設立してプリムス・ストーブとして大々的に売り出した。プリムス・ストーブは瞬く間に世界のポータブルストーブ市場を席巻する大ヒット商品となり、後の殆どの加圧式液体燃料ストーブの母体ともなった。 それまでの灯油ストーブは殆どは繊維製の芯を用いて、毛細管現象で燃料を火種に供給する構造を採っていたが、真鍮製の燃料タンクを持ち、加圧ポンプでバーナーヘッドに燃料を送り込み、自己の熱で灯油を気化させながら強力な炎を形成するプリムス・ストーブの登場は、灯油を用いるポータブルストーブの勢力図を一変させてしまう程のものであった。 プリムス・ストーブのバーナーヘッドは灯油が炎の中をループして自動的に気化が促進される構造となっており、着火する際にはこのバーナーヘッドを予熱する必要がある。この予熱作業はプレヒートと呼ばれ、主にアルコールやメタアルデヒドなどを用いて行われた。プレヒート作業を経て本着火が終了すると、バーナーの熱は次第に燃料タンクにも伝わっていき、タンクの熱でタンク内の圧力は常に高い状態に保たれてバーナーヘッドへの燃料供給が継続される。しかし、本着火前の燃料タンクには圧力が掛かっていない為、プレヒート作業前と本着火の際には燃料タンクに取り付けられた加圧ポンプを操作してタンク内に圧力を掛ける必要がある。 なお、ごく一般的なプリムス・ストーブには燃料供給を制御するバルブは存在せず、燃料タンクの空気弁を開いてタンク内圧力を抜くことで消火する。加圧ポンプで初期ポンピングを行うと自然にバーナーヘッドから燃料が噴き出すため、着火工程には慣れが必要である。またバルブが存在しない故に燃料タンク内に灯油を残したまま携行することは難しく、基本的には燃料を使い切るかバーナーヘッドを外して専用のキャップを嵌めて密封する必要がある。このキャップが存在しない程古い機種の場合にはバーナーヘッドを外して燃料を抜かなければならない。初期の物は火力調整はほぼ不可能で、常に全開火力で燃え続ける製品が一般的であったが、後年に登場したプリムスストーブ系の構造をもつ灯油ポータブルストーブの中には燃料供給制御バルブを持つ製品や、よりきめ細かな圧力制御が行える空気弁を備え細かな火力調整を行なえるようになった製品も存在する。 プリムス・ストーブはその構造の簡素さと完成度の高さから世界中で無数の類似品やコピー製品が製造された。日本においてはマナスルや、武井バーナーのパープルストーブなどが現在でも残るプリムス・ストーブ系ポータブルストーブとして著名である。なお、本来「プリムス」を称することが出来るのは提携社であるイワタニ・プリムスが輸入したものだけである。また韓国では昇和工業製の超大型灯油ストーブが屋台などでよく用いられており、一部は日本にも輸入されている。
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