フィリピン名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 03:28 UTC 版)
フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)は、北太平洋で発生した熱帯低気圧(台風を含む)に対して、国際的に命名・使用される国際名(現アジア名)とは別に、独自のリストにある名称「フィリピン名」を命名しており、フィリピン国内では、このフィリピン名の方が、アジア名などの国際名よりも一般的に使用されている。例えば、2008年にフィリピンに大きな被害をもたらした台風6号については、現地ではアジア名の「フンシェン (Fengshen)」よりフィリピン名「フランク (Frank)」の方が広く使用された。 このフィリピン名は、各年ごとに使用される4つのリスト(AからZまでの頭文字を持つ26の名前)と、数が足りなくなった場合に使用する補助リスト(AUXILLIARY LIST)からなる。 フィリピン名は、PAGASAの監視エリア内で熱帯低気圧が発生した場合と、そのエリアに熱帯低気圧が進入した場合にのみ命名される。例えば、2016年の台風14号は、アジア名は「ムーランティ(Meranti)」であるが、PAGASAにより「フェルディー(Ferdie)」というフィリピン名が付けられている。しかし、このようにフィリピン名が付けられる熱帯低気圧が、必ずしも「台風」の勢力に達しているとは限らない。そのため、「台風」に分類されておらずアジア名なども付けられていない熱帯低気圧が、フィリピン名だけは付けられるということも少なくない。例えば、2020年7月11日に発生した熱帯低気圧は、気象庁より「台風」と分類されずアジア名が付けられなかったと同時に、JTWCにより熱帯低気圧番号も付番されなかったが、PAGASAによって「カリーナ(Carina)」というフィリピン名が付けられている。 なお、アジア名など国際名と同様に、被害の規模が大きかった熱帯低気圧(台風)のフィリピン名は置き換えられる。例えば、2017年の台風26号(フィリピン名:ウルドゥヤ / Urduja)と台風27号(フィリピン名:ヴィンタ / Vinta)は、同じリストが次に使用される2021年には、「ウワン(Uwan)」と「ヴァービナ(Verbena)」にそれぞれ変更された。また、2013年にフィリピンに甚大な被害をもたらした台風30号のフィリピン名「ヨランダ(Yolanda)」も、その後「ヤスミン(Yasmin)」というフィリピン名に置き換えられている。
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