ヒト抗体「足場」への関連CDRの挿入によるヒト化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 02:13 UTC 版)
「ヒト化抗体」の記事における「ヒト抗体「足場」への関連CDRの挿入によるヒト化」の解説
キメラ中間体を作成せずにヒト化抗体を作成することが可能である。ヒト化抗体の「直接」作成は、適切なCDRコーディングセグメント(所望の結合特性を担う、いわゆる「ドナー」)をヒト抗体「足場」(いわゆる「アクセプター」)に挿入することによって達成される。上述のように、これは、適切なベクターと哺乳動物細胞での発現を用いた組換えDNA法によって達成される。すなわち、抗体がマウス(または他の非ヒト)において所望の特性を有するように開発された後、その抗体をコードするDNAを単離し、ベクターにクローニングし、配列を決定することができる。その後、抗体のCDRに対応するDNA配列を決定することができる。所望のCDRの正確な配列がわかれば、これらの配列をヒト抗体変異体のDNAを含む構築物に適切に挿入するための戦略を考案することができる。この戦略はまた、CDR配列の読み取りに基づく線形DNA断片の合成(英語版)を採用してもよい。 アレムツズマブは、ヒト化にキメラ中間体を含まない抗体の初期の例である。この場合、マウスシステムを用いてCD52(英語版)に結合するために、「Campath-1」と名付けられたモノクローナルが開発された。その後、Campath-1の超可変ループ(CDRを含み、それによってCD52に結合する能力を付与する)を抽出し、ヒト抗体フレームワークに挿入された。アレムツズマブは、B細胞性慢性リンパ性白血病の治療薬として承認されており、現在、多発性硬化症を含む他のさまざまな疾患を対象とした臨床試験が行われている。
※この「ヒト抗体「足場」への関連CDRの挿入によるヒト化」の解説は、「ヒト化抗体」の解説の一部です。
「ヒト抗体「足場」への関連CDRの挿入によるヒト化」を含む「ヒト化抗体」の記事については、「ヒト化抗体」の概要を参照ください。
- ヒト抗体「足場」への関連CDRの挿入によるヒト化のページへのリンク