ハッブル分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/31 06:14 UTC 版)
ハッブル分類(ハッブルぶんるい)は、銀河の形態分類方法の1つ。エドウィン・ハッブルが1926年に提唱した。
大きく分けると楕円銀河、レンズ状銀河、渦巻銀河、棒渦巻銀河と、どれにも当てはまらない不規則銀河がある。
銀河の分類
楕円銀河
単純な回転楕円体の形をしており、これといった内部構造のない銀河である。記号はE[1]。扁平率によってさらに細分類されており、(1-短径/長径)を10倍した数字をEのあとにつける。つまり球形の銀河はE0となり、平たくなるに従って数字が大きくなっていく。長径と短径の比が約10:4、E7よりも扁平な楕円銀河は見つかっていない。
渦巻銀河
中央に回転楕円体の形状をしたバルジという部分があり、その周囲に円盤部(ディスク)をもつ銀河。ディスクの中には渦状腕が見られる。記号はS[1]。渦状腕の巻き込み具合が最もきついものをSa、以下ゆるくなるに従いSb、Sc、…と表す。SaからScに向かうにつれて、ディスクに対するバルジの大きさの比が小さくなる。
棒渦巻銀河
バルジの部分が棒状の構造になっていて、その周囲に渦状腕をもつ銀河。記号はSB[1]。渦巻銀河同様、巻き込み具合によってSBa、SBb、…と細分される。
レンズ状銀河
バルジの構造はあるが、円盤部が認められない銀河。記号はS0[1]。
不規則銀河
上記のいずれにも当てはまらない銀河。記号はI。
特異銀河
衝突している銀河によくみられる。正確には、ハッブル分類にはない種類である。
ハッブルの音叉図
ハッブルはE0、E1、…と楕円銀河が進化し、レンズ状銀河を経て渦巻銀河と棒渦巻銀河に分化すると考えた[2]。この模式図は音叉のような形をしているため、ハッブルの音叉図と呼ばれている。
しかしその後の研究により、楕円銀河より渦巻銀河の方が一般に回転が速いこと、渦巻銀河には星間ガスが大量に含まれるのに対して楕円銀河にはほとんどガスが見られないことなど、様々な性質の違いが明らかになり、この考え方は否定されている[2]。しかし、現在でもこの考え方に基づいて、ハッブル図上で相対的に左側にある銀河を「早期型」、右側の銀河を「晩期型」と呼ぶことは多い。
脚注
参考文献
- 富永裕久 著、佐藤勝彦 編『ここまでわかった!宇宙の謎: 銀河のしくみから超ひも理論まで』PHP研究所、2009年7月1日。ISBN 978-4-569-67281-6。
外部リンク
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ハッブル分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/15 03:03 UTC 版)
詳細は「ハッブル分類」を参照 ハッブル分類は、エドウィン・ハッブルが1926年に開発した銀河の形態分類スキームである。その形からしばしば「ハッブルの音叉図」とも呼ばれる。ハッブルの分類法は、その見た目によって銀河を3つに大きく分類する。 楕円銀河は、滑らかで特徴のない光の分布であり、楕円に見える。Eの記号の後に楕円率を表す整数を付けて示される。 渦巻銀河は、平らな円盤から構成され、(通常2つの腕の)渦巻構造となっている。中央の恒星の集まりは銀河バルジと呼ばれ、楕円銀河の構造と似ている。Sの記号で示される。およそ半分の渦巻銀河は、中央のバルジから伸びる棒状の構造を持っているように見え、棒渦巻銀河と呼ばれてSBの記号で示される。 レンズ状銀河は、明るい中央のバルジが円盤状の構造に囲まれているように見えるが、渦巻銀河とは異なって円盤には渦巻構造は見えず、また星形成はほとんど行われていない。S0の記号で示される。 これらの大きな分類は、見かけについて更に細かく分類するため、また不規則銀河のような明確な構造を持たない銀河をも包含するために拡張された。 ハッブル分類は、しばしば楕円銀河が左側に置かれ(左から右へ楕円率が増加するように)、棒渦巻銀河と非棒状渦巻銀河が2つの平行な尖端となった音叉の形で表される。レンズ状銀河は、2つの尖端が出会う「持ち手」の付け根の位置にあたる楕円銀河と渦巻銀河の間に置かれる。 今日では、ハッブル分類は専門家もアマチュアも最も良く用いる分類法となっている。
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