ニャールのサガ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 07:03 UTC 版)
『ニャールのサガ』157章では、ドッルズという男が、聖金曜日にカタネスで、馬に乗って石室に向かう12人の人々を見た話が語られる。石室に入っていった彼らをドッルズは見失ってしまうが、石室の壁の割れ目から中を覗くと、そこには女たちがいて、織機のようなものを組み立てていた。それはなんと、男の首を重しに、はらわたを縦糸と横糸に、剣を杼にして、糸車は矢で作られていた。彼女たちは歌を歌っており、ドッルズが覚えたそれは『槍の歌』と呼ばれている。 この歌は11のスタンザからなり、その中で、ヴァルキュリャたちが布を織りながら、クロンターフの戦いで誰が死ぬのかを選んでいた。歌では、ヒルド、ヒョルスリムル、サングリーズ、スヴィプル、グズ、ゴンドゥルの名前が示される。第9スタンザにはこうある。 Now awful it is to be without, as blood-red rack races overhead; is the welkin gory with warriors' blood as we valkyries war-songs chanted. 詩の終盤、ヴァルキュリャは「鞍なき馬に跨りて我らは疾く駆け出さん、しかして剣を掲げ戦うべし」と歌い、織機を粉々に壊してしまう。ドッルズが壁の割れ目から離れて帰途につくと、女たちは馬を駆って、6人は北に、もう6人は南へと去った。
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