テスタロッサのスタント専用車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 03:06 UTC 版)
「マイアミ・バイスのフェラーリ」の記事における「テスタロッサのスタント専用車」の解説
シーズン1が終了した頃、酷使されたデイトナを修理するためテネシー州でRMG(ロバーツ・モーターグループ)を営むカール・ロバーツが招かれた。彼は番組のスタントコーディネーターの知り合いでこれまでもドラマや映画に使用する車の改造を手掛けていたほか、コルベットのカスタムの第一人者としても知られていた。1号車の欠点は彼によって大幅に改善され、さらにシーズン3に向けてより精巧なデイトナスパイダーを用意しようと3台目の製作を依頼した。 そこにテスタロッサの話しが舞い込んできたため3台目のデイトナは中止になるが、代わりにテスタロッサのスタントカー製作を任されることになる。 ロバーツはデイトナ1号車の車台を使おうと考えたが、フロントエンジンのため低いノーズが納まらない。そこでベース車両として使えそうなリアエンジンのスポーツカーを調べあげたところ、ホイールベースやコクピット位置がデ・トマソ・パンテーラに近いことがわかった。状態の良い1972年型パンテーラを3万ドルで手に入れるとFRPでボディパネルを製作し、細部のパーツはテスタロッサの事故車から流用した。パンテーラの床面はテスタロッサより10cmも高くコクピットが納まらないため、フロアパンを切断し10cm低い位置に溶接して対応した。ルーフ内側には急傾斜のフロントガラスを支える6cm角のロールケージを設けた。フロントフェンダーとエンジンフードはワンピースにして修理やカメラ機材の脱着が容易に行なえるようにした。様々な工夫をしながらも改造は容易だったという。 エンジンはプレデター製のキャブレターと亜酸化窒素(NOS)の添加装置でパワーアップされ発進時や旋回時のホイールスピンを確実にした。実は本物のテスタロッサはアクセルを急に踏み込むとエンジンストールする欠点がありホイールスピンのシーンでは撮り直しが多かったという。 ブレーキはチルトン製のキャリパーとボルボP1800から移植したブースターで強化し、デイトナと同様に後輪専用のブレーキペダルを追加した。他に、運転者が素早く脱出できるよう取外し可能なステアリング、マイアミの暑さに耐えられるNASCARでも使われるモディーン製の大型ラジエーター等を装備する。 Aピラーからルーフへの継ぎ目が本物は滑らかな曲線を描くがこのスタントカーは角張っているので区別しやすい。その他サイドエアインテーク周りの納まり寸法やアルミホイールなどで区別できる。。
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