ダニ室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/18 16:07 UTC 版)
ダニ室(ダニしつ)とは、様々な植物の葉裏に作られる構造である。裏面に口を開いた小さな空洞のような構造のものや毛の束のようなものがある。植物がその葉を害する小動物や菌を捕食するダニを住まわせるためのものとされており、ダニは隠れ家を得て、植物は害敵の天敵を常在させることができるという双利共生の関係を構成していると考えられる。しかし異論もあり、詳しいことは不明な点が多い。
- ^ O'Dowd & Pemberton(1998).
- ^ 西田 2004, p. 137.
- ^ 例えば(O'Dowd & Pemberton(1998)) は、冒頭に Leaf domatiaを説明しダニが住み込むものであると記してある。
- ^ この節は主として(Norton et al.(2000), p. 490)
- ^ 西田(2004),p.137
- ^ a b (Norton et al.(2000), p. 490)
- ^ 西田 2004, p. 137-138.
- ^ a b 西田 2004, p. 140
- ^ a b 西田 2004, p. 142
- ^ a b 西田 2004, p. 138
- ^ 例えばRomero eeet al.(2011)
- ^ 西田 2004, p. 149-151.
- ^ 西田 2004, p. 139.
- ^ 西田(2012)
- ^ 西田(2010)
- ^ 朝倉書店(2009)、石井龍一他編
- ^ 朝日新聞社、(1997)
- ^ 緒方(1997),p.74
- ^ 北村・村田(1979)p.200.
- ^ この節は(西田 2004, p. 144-145)
- ^ 西田 2004, p. 145.
- ^ a b 西田 2004, p. 146
- ^ Romero et al.(2011)p.27
- ^ Romero et al.(2011)
- ^ 西田 2004, p. 147.
- ^ Nishida et al.(2005),p.94
- ^ 以下、笠井 2006
- ^ 上述の穴型と小嚢型に対応する模様
- ^ 笠井 2006, p. 1277.
- ^ 西田 2009.
- ^ 西田(2010-2017)
- ^ 以下、(Agrawal et al.(2000))
ダニ室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 17:28 UTC 版)
クスノキの葉に2つずつ存在するダニ室には2形があり、入り口の大きいものと小さいものがある。入り口の大きい方にはケボソナガヒシダニという捕食性のダニが住み込んでおり、これがクスノキの葉を害する植食性のダニを捕食することでクスノキを守っていると考えられる。他方で入り口の小さい方には植食性のフシダニの一種が生息している。これはもちろんクスノキから栄養を吸収するものの、それ以上の害を与えることはない。ダニ室で増殖したフシダニは少しずつダニ室の外に溢れ、これをダニ室には侵入できないサイズの捕食性のダニが捕食することでクスノキの樹上には常にフシダニ捕食性のダニが一定密度で維持されている。特にコウズケカブリダニがこれに働いているらしい。このダニ室を人為的に塞いでダニ室のフシダニやコウズケカブリダニを排除すると、クスノキにとって有害な虫えいを形成するフシダニが増殖し、多くの葉がこぶだらけになることが知られている。従って、クスノキの葉のダニ室はクスノキに病変を引き起こすフシダニの天敵の維持に役立っていると考えられている。それも片方では捕食性ダニのシェルターを提供することで、もう片方では捕食性ダニの餌になる植食性ダニを育て捕食性ダニを常駐させることでこれを行っているとみられる。この後者の方法はクスノキの研究で初めて発見されたものである。 詳細は「ダニ室」を参照
※この「ダニ室」の解説は、「クスノキ」の解説の一部です。
「ダニ室」を含む「クスノキ」の記事については、「クスノキ」の概要を参照ください。
- ダニ室のページへのリンク