タッチ・テクニック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 13:51 UTC 版)
「スタンリー・ジョーダン」の記事における「タッチ・テクニック」の解説
通常、ギタリストは両手を使用する際に、片方の手は音程を決定するためにフレット上で弦を押さえ、もう一方の手は弦を弾いて音を出す。スタンリー・ジョーダンのタッチ・テクニック(彼は「タッチ・スタイル」と呼称する)は、両手によるタッピング奏法の進化形である。通常のギタリストは、フレット上で一本の指だけを素早く弦に対してタッピング(またはハンマリング)して音を出す。タッピングの衝撃により、十分な音が出るように弦を振動させ、音量は衝撃の力を加減することで調整できる。ジョーダンは、両手でタップすることにより、通常のタッピングよりも滑らかに演奏することができる。彼のテクニックにより、メロディとコードを同時に演奏することができるようになる。またそれにより、彼が実演したように、2本のギターを、たとえばギターとピアノのように別々に演奏することができるようになる。 ちなみに、このタッチ・スタイル自体はギターメーカーのグレッチ社の開発スタッフであり、ジャズ・ギタリストであったジミー・ウェブスターが、1950年代に教則本を出版し、その奏法を使ったレコードを発売しており、演奏法としては既に存在していたが当時は受け入れられず、奏法として広く知らしめたのはスタンリー・ジョーダンである。詳細はタッピング奏法の項目を参照。 彼は、低音弦から高音弦に向け EADGBE とする通常のチューニングよりも、EADGCF (ベースのようにすべてが完全四度)となる全四度チューニングを使う。彼は、全四度チューニングが「指板を簡単かつ論理的に」すると述べている。 ジョーダンが主に使うギターは、1988年製の Vigier Guitars で、指板を平らにして非常に少ない(0.5/0.7mm)動作でのタッピングを可能にした Arpege モデルである。この他にもネックにアルミニウムを芯材に用いたトラヴィス・ビーンのギターや、CASIOが特別に製作したギターシンセサイザーを用いている。一本のギターを演奏するのみならず、立奏用スタンドにセットしたギターシンセサイザーを右手で演奏し、左手で肩からストラップで提げたギターを演奏するといったことも行う。この場合は右手でメロディ、左手でコードバッキングを演奏するスタイルとなる。
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