スーパーグロースCVD法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 07:59 UTC 版)
「カーボンナノチューブ」の記事における「スーパーグロースCVD法」の解説
産業技術総合研究所ナノカーボン研究センターにおいて、畠賢治、飯島澄男らによりスーパーグロースCVD法が発表された。CVD法の一種である本法は通常の気相合成雰囲気中に極微量の水分を添加する事により触媒の活性及び寿命が大幅に改善され、高効率、高純度な単層カーボンナノチューブを得ることができる。この合成法による成長速度は以下の数式によって表される。 H ( t ) = β τ o ( 1 − e − t / τ o ) {\displaystyle H(t)={\beta }{\tau }_{o}({1-e^{-t/{\tau }_{o}}})} βは成長定数で207 μm/分、 τ o {\displaystyle {\tau }_{o}} は触媒特性時間。 その効率は、触媒効率ではレーザーアブレーション法に比べて100倍、時間効率では2004年の公開時の実験では厚さ2.5mmのSWNT薄膜を形成するのに要した時間はわずか10分であった。純度は99.98%以上、表面積は閉口状態1,000m2/g、開口状態2,000m2/g、重量密度は薄膜で0.037g/cm3、固体で0.55g/cm3と非常に高性能である。これまではHiPco法で5~30%、通常のCVD法で3~15%の触媒金属やアモルファスカーボンなどの密度の高い不純物が含まれていた。そのため標準的な試料のSWNTの密度は1.4 g/cm3程度であったが、この製造方法では高密度固体の形状でも非常に軽い。また触媒操作する事でSWNT膜だけでなくDWNT膜やMWNT膜の形成も可能である。ナノチューブの直径によりその含有率は変わり、SWNTとほぼ同程度の純度の薄膜を形成できる。 純度等の問題も併せて量産が難しかったカーボンナノチューブの大量生産を実現する技術とされる。また、この技術を用いると、その配向性の高さから、花びらのような構造体を成長させることも可能である。この方法で合成されたカーボンナノチューブは、基板の上に貝割れ大根のように上向きに密集して成長する。この配向性を利用してカーボンナノチューブ黒体などがAISTにより製作されている。サンプルはAISTによって提供されている。
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スーパーグロースCVD法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/07 18:18 UTC 版)
この方法は、CVD法の一種である。高効率、高純度にて、単層のカーボンナノチューブを作ることができる。作成効率は、従来のCVD法に比して、2000倍といわれ、純度等の問題も併せて量産が難しかったナノチューブの量産を実現する技術として期待されている。この方法で合成されたカーボンナノチューブは、基板の上に貝割れ大根のように上向きに密集して成長する。関連項目として、カーボンナノチューブを参照されたい。
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