ジュール‐トムソン‐こうか〔‐カウクワ〕【ジュールトムソン効果】
ジュール=トムソン効果
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ジュール=トムソン効果(ジュール=トムソンこうか、英: Joule–thomson effect[1])とは、気体を多孔質壁を通して両側の圧力を一定に保ちながら膨張させた時に温度が変化することである。1852年に観測された現象に対して、ジェームズ・プレスコット・ジュールとウィリアム・トムソン(ケルビン卿)によって1861年に提唱された。この現象は気体の液化などに今日も応用されている。1908年にヘイケ・カメルリング・オネスはこの効果を利用して、ヘリウムの液化できる温度0.9 K (= −272.25 °C) を達成した。
- ^ a b c 『学術用語集 物理学編』
- 1 ジュール=トムソン効果とは
- 2 ジュール=トムソン効果の概要
- 3 概要
- 4 参考文献
- 5 関連項目
ジュール=トムソン効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 00:00 UTC 版)
「熱力学的状態方程式」の記事における「ジュール=トムソン効果」の解説
ジュール=トムソン係数 μJT は、先に示したように (∂H/∂P)T に比例する。理想気体では (∂H/∂P)T = 0 なので、理想気体の μJT は常にゼロである。よって、理想気体ではジュール=トムソン効果が起こらない。
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ジュール=トムソン効果
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「ジェームズ・プレスコット・ジュール」の記事における「ジュール=トムソン効果」の解説
1852年、ジュールはトムソンから、気体を自由膨張させると温度がわずかに下がるのではないかということを告げられた。ジュールは以前、外に対して仕事をしない気体の膨張では温度が変化しないことを確かめていたが、そのときの実験は、装置自体を水中にいれ、その水の温度変化を測定するという手法であったので、温度変化が少ない場合は変化を検出できなかった。そのため、トムソンの考えを確かめるには、より精密な測定を行う必要があった。 こうして、ジュールとトムソンの共同研究が始まった。実験装置は3馬力の仕事を出せる大きなもので、始めはジュールの醸造所を実験場所としたが、1854年に醸造所を売却した後は自宅で実験を行った。実験の結果、確かに膨張させると温度が下がることが確認された。この結果は1852年-1854年に発表され、現在ではジュール=トムソン効果と呼ばれている[要出典]。 論文発表後もこの実験は続けられ、1861年にジュールは引越しをしたときには、その引越し先でも実験を行っていたが、コンプレッサーの音がうるさいと隣の家から苦情が来たため中止された!。 この実験を行っていた時期はジュールにとって不幸な出来事が続いた。裕福だったジュール家も没落が始まり、さらに1854年には妻アメリアを亡くし、もともと積極的でなかったジュールはさらに引きこもってしまった。そして1858年には父を失った。さらに1858年、ジュールは汽車の事故に遭遇し、それ以来汽車での旅を避けるようになった。精神的にも疲れが見られてきており、1860年、マンチェスターのオーエンズ・カレッジに物理学教授のポストが作られた時は、「実を言うと、脳を使いすぎるのは良くないと思っている。数年前、ちょっとした頭脳労働も手に余ると感じ、できる限りものを考えないようにした。徐々に良くなっているが、無理は良くないと思う。」という理由でこの職に応募しなかった。 1860年代に入っても、ジュール=トムソン効果を確かめる実験で発生した騒音と煙にまつわる隣人との論争(「法律沙汰にする」とおびやかされた)や、熱の仕事当量の先取権に関する論争に関わるなど、波乱は続いた。
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「ジュールトムソン効果」の例文・使い方・用例・文例
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