クランクピンとコンロッド軸受
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 02:27 UTC 版)
「誉 (エンジン)」の記事における「クランクピンとコンロッド軸受」の解説
エンジン出力は栄のほぼ2倍になったものの、クランクピン(主コンロッドをはめ込むクランクシャフト側の接合部)の直径は、エンジン径と主コンロッドの軸受荷重のトレードオフを勘案した限界的数値として5 mmしか拡大されなかった。このため、軸受にかかる荷重は最大で栄の38 %程度まで増大することとなった。対策として、中島と空技廠による軸受に関する特別チームは、コンロッドやシリンダースカート回りの設計を洗練・精密化し、軸受の厚さを最大限に取ることで剛性の向上に努めた。軸受合金(ケルメット)は銅の量に対して鉛18 %とされ、これを軸受の裏金に鋳込む方法も研究された。さらに軸受の真円度、軸受を主コンロッドにはめ込む際のはめ込み代、クランクピン寸法と表面粗度、クランクピンと主コンロッド軸受間の遊びの大きさといった様々なパラメータが厳密に定められた。また理論と実験により、クランクピンにエンジンオイル用の油穴が設けられた。これは最適な形状と配置が選ばれ、潤滑と冷却を兼ねたものである。これらの結果、軸受荷重が大きいものの、試験段階では好成績を収めた。
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