クマの冬眠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/19 05:22 UTC 版)
クマの冬眠は、期間中の体温の降下度が4~6℃と小さいこと、外部からの刺激によって覚醒し易いことから、しばしば「冬ごもり」や「冬季の睡眠」と呼ばれてきた。しかし冬眠中の生理学的状態が活動期とは全く異なる状態にあり、他の冬眠動物と同じく「冬眠」と呼べる状態にあることが分かってきた。以下クマの冬眠の特徴を列記する。 冬眠期間中に中途覚醒しない。 冬眠期間中の体温は31~35℃と、通常時(37~39℃)と比べて降下度が小さい。 冬眠中に一切摂食・排糞・排尿を行わない。 妊娠したメスは冬眠期間中に分娩し、生まれた子に対し授乳を行う。 冬眠中は中途覚醒せず摂食しないため、冬眠期間中は秋に過食して体内に貯めた脂肪がエネルギー源である。日本のツキノワグマは秋にブナやミズナラなどのどんぐり類を大量に摂取して冬眠に備えるが、どんぐり類が不作の年にはえさを求めて人里に出てくることが多くなる。また冬眠中一切排尿を行わないことから、冬眠中は活動期と異なる独特のたんぱく質再生機構をもっていると考えられる。人間は長期間動かずにいると骨が退縮するが、クマは冬眠期間中は全く活動しないにもかかわらず、骨の体積は変化しない。なおクマの体温降下度が小さいのは、他の冬眠動物に比べて体の容積が大きいことと関係がある。
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