ガリアの社会構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 10:05 UTC 版)
ガリアの社会は他のインド・ヨーロッパの民族にも見られるような知識層(祭司)・騎士・民衆の三層構成を成していた(三機能仮説)。こうした階層分化は前七世紀頃(ハルシュタット後期)のケルト人の原型をなす社会で既に発生していた。この知識層がドルイドである。『ガリア戦記』において民衆の身分は奴隷に例えられ、それほど知識層と騎士の特権は強かった。だがこの頃ドルイドの権勢は最盛期を過ぎ下り坂であったと考えられている。 ガリアの知識層を指す単語としてはドルイドのほかにもウァテス・バード・サケルドス(英語版)・グトゥアテル(フランス語版)・セムノテオイなど様々なものが文献に登場する。このうちウァテスとバードについては古典文献の記述から異名ではなく実際にドルイドと共に知識層を構成していた階級であると考えられている。だがこの三階級の職能は完全には分化しておらず、一部で重なり合っているためその関係には諸説がある。 ドルイド ガリアの知識層の中で最高位を占めるとされる階層。職能としては祭司と政治的指導者を併せ持つ。このため、文献の中でサケルドス(祭司)ではなくドルイドという表現が使われた場合、書き手はその人物を政治的指導者だと強調している可能性がある。 ウァテス 占い師。先述の通りドルイドも占いを行っていたと考えられるため、ウァテスをドルイドの中で下位の序列を指すとする者もいる。その一方で、同じ理由で彼らがドルイドと同等の権利を有したとする者もいる。またポセイドニオスがドルイドの中で生贄に直接手を下す特別な集団にウァテスという別の名称をあたえることで、ドルイドを生贄の儀式から切り離したのではないかという意見もある。 バード 吟遊詩人。ドルイドとウァテス程ではないがその職能はドルイドと重なりあう部分がある。
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