ガス・リフト

石油/天然ガス用語辞典

ガス・リフト

読み方： がす　りふと
【英】: gas lift

人工採油法の一つであり、高圧ガスをある深度において坑井内に放出し、坑内液体の見掛けの比重を軽くし、かつガスの膨張上昇エネルギーによって液体を地上にくみ上げる採油法である。ガス・リフトはガスを連続的に圧入する連続ガス・リフトと、ある程度管内の液面が上昇した時点で圧入する間欠ガス・リフトに大別され、前者は産出指数が大きく、比較的大きな油層圧力を持つ坑井で使用され、後者は産出指数が小さいか、または油層圧力が減退した坑井で使用される。またガスの注入方法も、アニュラス部（チュービングとケーシングの間）から注入し、チュービングからくみ上げる方法や、逆にチュービングから注入する方法などいろいろあるが、現在では前者の方法が一般的に用いられる。ガス源としては近隣の高圧ガス井を利用するか、または油井から産出したガスをコンプレッサーで昇圧して使用する。ガス・リフトは一般にくみ上げ能力が大きく、ポンプ採油法に比べ、坑井傾斜、砂の産出などに対する制約が少ない長所があるが、水産出量が多い場合は強固なエマルジョンを作りやすく、またコンプレッサー、ガス圧入ラインなどの初期投資が大きくなる短所がある。