カライワシ類とは? わかりやすく解説

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カライワシ上目

(カライワシ類 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/06 07:28 UTC 版)

カライワシ上目
ターポン Megalops atlanticusカライワシ目
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : カライワシ上目 Elopomorpha

カライワシ上目Elopomorpha)は、硬骨魚類の分類群の一つ。レプトケファルス(葉形仔魚)と呼ばれる、独特な幼生期を経て成長することが特徴の一群である。

現生の魚類としてはカライワシ目ソトイワシ目ウナギ目およびフウセンウナギ目の4目が含まれ、計24科156属、およそ856種が記載される。他に絶滅したグループとして Crossognathiformes 目が所属する。

概要

アナゴ類のレプトケファルス幼生。幼生の体長は種類によってさまざまで、数cm程度のものから2mに達する場合もある[1]

カライワシ上目は真骨類に所属する硬骨魚類の中では、アロワナ上目に次いで早期に出現した一群と考えられている。現生の4目に加え、化石種のみが知られる Crossognathiformes 目の計5目が本上目にまとめられる。かつて独立の目として扱われていたソコギス目は、現在ではソトイワシ目に含められている。所属する現生種はほとんどが海水魚で、淡水産種は6種のみ[1]

本上目の仔魚レプトケファルス幼生と呼ばれ、左右に平たく側扁した透明な体をもつ。一般的に成魚とはまったく異なる外見をもち、体長の大幅な縮小を伴う変態を経て稚魚期に移行する。骨格上の共通点としては、鰓条骨はたいてい15個以上であること、副蝶形骨にをもつことなどがある。カライワシ上目より遅れて出現したニシン上目骨鰾上目の仲間にみられるような、浮き袋内耳を連絡する構造は存在しない。

分類

現生のカライワシ上目はカライワシ目(2科2属約8種)、ソトイワシ目(3科8属約30種)、ウナギ目(15科141属約791種)、およびフウセンウナギ目(4科5属28種)の4目で構成され、合計24科156属、およそ856種が所属する[1]。本上目の分類はそれぞれのレプトケファルス幼生の特徴に大きく依存しているが、内部の類縁関係がそれのみによって規定できるのか、そもそもレプトケファルスの存在が真に単系統群を構成するのかという点については今なお議論がある[1]

以下に示す分類群以外に、系統的位置付けが不明な絶滅群としてAnaethalionidae 科 (ジュラ紀後期、3属を含む)の存在が知られている。

イセゴイ Megalops cyprinoides (カライワシ目)。本目の葉形仔魚は5cm程度と小さく、尾鰭は二又に分かれる[2]
トカゲギス科の1種 Halosauridae sp. (ソトイワシ目)。ソコギス亜目のレプトケファルス幼生は非常に大きく、2mに達する例もある[2]
ウナギ目の化石種 Paranguilla tigrina。最古のウナギ類は白亜紀後期の地層から見つかっている
フクロウナギ Eurypharynx pelecanoides (フウセンウナギ目)。体高の高い仔魚をもつことが特徴。本目はウナギ目に含められる場合もある
Pachyrhizontidae 科の化石種(Pachyrhizodus caninus)。本科は始新世までに絶滅したグループで、6属が含まれる

出典・脚注

参考文献


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