カイガラムシなどの排泄物説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 08:00 UTC 版)
「マナ (食物)」の記事における「カイガラムシなどの排泄物説」の解説
カイガラムシなどのカメムシ目ヨコバイ亜目の排泄物である甘露が乾燥したものという説。 ヨコバイ亜目の昆虫は植物から吸汁して生活するが、中でも篩管液を専門に摂取するものが多い。植物の篩管の中の液には糖分は多量に溶けているが、アミノ酸やビタミンB群など他の栄養素は乏しい。そのため、これらの昆虫の消化管には濾過室と呼ばれる器官があって、過剰の糖分と水分を消化管後部に短絡させて排泄してしまう。これが甘露であり、西アジアのような乾燥地帯では水分がすぐに蒸発するため、植物に群がったカイガラムシの下で霜のように堆積した甘露の成分が容易に採集できる。後世の西アジア遊牧民の民俗例でも、実際にこれを採取して食用にする事例が報告されている。イランでは、乾燥した甘露を採取した後、不純物を取り除いてギャズというヌガーのような菓子を作る。
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