インフルエンザ‐ウイルス【influenza virus】
読み方:いんふるえんざういるす
インフルエンザを起こすウイルス。A型・B型・C型の3種類に大別される。A型とB型は伝播力が強く、大きな流行を起こすことがある。A型ウイルスは、ウイルスの表面に突出するヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という二つの糖たんぱく質の種類が多様で、その組み合わせによって、H1N1などの亜型に分類される。変異を起こしやすく、人が免疫をもたない新型のウイルスが発生すると世界的な大流行(パンデミック)の原因となる。B型のHA、NA血清型は各1種類。
[補説] 感染が呼吸器にとどまる弱毒性のものと、全身に広がる強毒性のものがある。人が感染するAソ連型(H1N1亜型)・A香港型(H3N2亜型)などの季節性インフルエンザや2009年に発生した新型インフルエンザ(H1N1A型)は弱毒性。鳥インフルエンザには弱毒性のもの(H7N2型など)と強毒性のもの(H5N1型など)がある。
インフルエンザウィルス [Influenzavirus]
ヒトのインフルエンザは、主にA型またはB型のインフルエンザウイルスにより起こされ、ウイルスを含む飛沫による感染のため短期間に人から人へと伝播する。ウイルス粒子の表面には赤血球凝集素HAとノイラミニダーゼNDと呼ばれる2種類の糖蛋白質が存在する。毎年流行を繰り返すのは、この2種類の糖蛋白質が次々に変化し、それまでに作られた免疫抗体では感染を防げなくなり、その結果大流行が起こると考えられる。老人、妊婦や慢性呼吸器疾患、心疾患などの病気をもつ人(ハイリスク群と呼ぶ)に感染すると心筋炎、心外膜炎、脳炎、脳症などを起こし、死亡することもあります。また肺炎の多くは、細菌感染をともない重篤になる。C型のインフルエンザウイルスは、大流行を起こすことはない。インフルエンザウイルスは、カモやアヒルなどの鳥類のウイルスがブタに感染し、その後ブタのウイルスが人に感染するといわれている。トリのA型インフルエンザ(H3、H5及びH7亜型)の中には強い中枢神経毒性をもつ強毒株があり、1998年香港でトリインフルエンザウイルスの強毒株によるヒトへの感染が初めて報告され、死亡者も出た。
インフルエンザウイルス
(インフルエンザウィルス から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/01 03:39 UTC 版)
インフルエンザウイルス(英: influenza virus, flu virus)は、ヒト(人間)に感染して、感染症であるインフルエンザを引き起こすウイルス。
注釈
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