業物(わざもの)
刀剣の試し切り手山田浅右衛門と須藤五太夫の協力を得た柘植平助が、その著書『懐宝剣尺』において文化十二年に発表した刀剣の切れ味による刀工の分類を指すが、その後文政十三年に山田浅右衛門は新たに試し切りをした資料をもって加除訂正し、『古今鍛冶備考』において業物位列を発表している。いずれも、特に截断能力の高い刀を製作した刀工を最上大業物と称し、懐宝剣尺では十三名、古今鍛冶備考では十四名をあげている。次いで、截断能力の高い工を大業物と称し、懐宝剣尺では二十二名、古今鍛冶備考では八十四名。この次に列せられるのが良業物で、懐宝剣尺では五十六名、古今鍛冶備考では二百十名。さらにこの次に位置する工が業物作者で、懐宝剣尺では九十名、古今鍛冶備考では八百三名の工が指定されている。以下に業物作者の一部を列記する。◆最上大業物(いずれも古今鍛冶備考参照)長船兼光・長船秀光・三原正家・長船元重・長曽祢興里・長曽祢興正・和泉守兼定(之定)・孫六兼元・仙台初代国包・初代助広・初代忠吉・陸奥守忠吉・多々良長幸・三善長道。◆大業物(一部略)志津兼氏・直江兼友・兼房(永正)・和泉守兼定初代・兼定(疋定)・了戒・包利初代(正応)・包利二代・包永初代・包永二代・景光・吉井景則・義景・右衛門尉吉次・吉友・青江忠次・青江次吉・青江恒次・順慶長光・将監長光・長船長義・長船家光・家次・青江近依・親次(備中)・修理亮盛光・左京亮康光・右京亮勝光・兼元二代・兼元三代・与三左衛門尉祐定・藤四郎祐定・高天神兼明・加州兼若初代・加州兼則(元禄)・伊予大掾勝国初代・堀川国広・堀川国安・和泉守国貞初代・肥後守国康初代・二代津田助広・近江大掾忠広・越後守包貞二代・主水正正清・一平安代、他。◆良業物(一部略)青江家次二代・当麻友綱・大宮盛景・倫光初代・倫光二代・長船忠光初代・忠光二代・相州綱広初代・藤島友重初代・友重二代・繁慶・和泉守兼重・山城守国包二代・大与五国重・武蔵大掾是一初代・南紀重国初代・津田助直・一竿子忠綱・越前康継初代・越前康継二代・大和守安定・丹波守吉道京初代・丹波守吉道大阪初代・丹波守吉道大阪二代・大和大掾正則、他。◆業物(一部略)長船春光・五郎左衛門尉清光・加州勝家初代・下原照重・井上真改・越中守正俊初代・八幡山清平・出羽大掾国路・小林国輝・初代輝広・左陸奥包保・大和守吉道初代・河内守国助初代・土肥真了二代・陸奥守歳長初代、他。
わざものと同じ種類の言葉
- わざもののページへのリンク