より短い証明とは? わかりやすく解説

より短い証明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/09 22:36 UTC 版)

バナッハの不動点定理」の記事における「より短い証明」の解説

つづいて近年 Journal of Fixed Point Theory and its Applications に掲載されたより簡単な証明紹介する参考文献参照)。 三角不等式より、X 内のすべての x, y に対して、次が成り立つ。 d ( x , y ) ≤ d ( x , T ( x ) ) + d ( T ( x ) , T ( y ) ) + d ( T ( y ) , y ) ≤ d ( x , T ( x ) ) + q d ( x , y ) + d ( T ( y ) , y ) . {\displaystyle {\begin{aligned}d(x,y)&\leq d(x,T(x))+d(T(x),T(y))+d(T(y),y)\\&\leq d(x,T(x))+qd(x,y)+d(T(y),y).\end{aligned}}} これを d(x, y) について解くことで、次の基本縮小不等式」(Fundamental Contraction Inequality)が得られる。 d ( x , y ) ≤ d ( T ( x ) , x ) + d ( T ( y ) , y ) 1 − q . {\displaystyle d(x,y)\leq {\frac {d(T(x),x)+d(T(y),y)}{1-q}}.} x と y がいずれも不動点であるなら、この不等式は d(x, y) = 0、すなわち x = y意味し、T は高々一つ不動点しか持たないことが分かる。T をそれ自身と n 回合成することで、写像 Tn定義する帰納的に、この写像定数 qn についてリプシッツ条件を満たすことに注意されたい。あとは X 内の任意の x0 に対して列 {Tn(x0)} がコーシー列であることを示し、したがって X のある点 x* に収束することを示せばよい。その点は上述のように明らかに T の不動点である。基本縮小不等式において x と y をそれぞれ Tn(x0) と Tm(x0) に置き換えると、次の成立分かる。 d ( T n ( x 0 ) , T m ( x 0 ) ) ≤ d ( T ( T n ( x 0 ) ) , T n ( x 0 ) ) + d ( T ( T m ( x 0 ) ) , T m ( x 0 ) ) 1 − q , = d ( T n ( T ( x 0 ) ) , T n ( x 0 ) ) + d ( T m ( T ( x 0 ) ) , T m ( x 0 ) ) 1 − q ≤ q n d ( T ( x 0 ) , x 0 ) + q m d ( T ( x 0 ) , x 0 ) 1 − q = q n + q m 1 − q d ( T ( x 0 ) , x 0 ) . {\displaystyle {\begin{aligned}d(T^{n}(x_{0}),T^{m}(x_{0}))&\leq {\frac {d(T(T^{n}(x_{0})),T^{n}(x_{0}))+d(T(T^{m}(x_{0})),T^{m}(x_{0}))}{1-q}},\\&={\frac {d(T^{n}(T(x_{0})),T^{n}(x_{0}))+d(T^{m}(T(x_{0})),T^{m}(x_{0}))}{1-q}}\\&\leq {\frac {q^{n}d(T(x_{0}),x_{0})+q^{m}d(T(x_{0}),x_{0})}{1-q}}\\&={\frac {q^{n}+q^{m}}{1-q}}d(T(x_{0}),x_{0}).\end{aligned}}} q < 1 なので、最後表現は n, m → ∞ に対してゼロ収束し、このことは {Tn(x0)} がコーシー列であることを意味する。m → ∞ に対しては、第一の証明現れ次の不等式得られる。 d ( T n ( x 0 ) , x ∗ ) ≤ q n 1 − q d ( T ( x 0 ) , x 0 ) . {\displaystyle d(T^{n}(x_{0}),x^{*})\leq {\frac {q^{n}}{1-q}}d(T(x_{0}),x_{0}).} これは {Tn(x0)} が x* に収束する収束率与えるものである

※この「より短い証明」の解説は、「バナッハの不動点定理」の解説の一部です。
「より短い証明」を含む「バナッハの不動点定理」の記事については、「バナッハの不動点定理」の概要を参照ください。

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