HTTPS 概要

HTTPS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/02 01:23 UTC 版)

概要

HTTP通信において認証や暗号化を行うために、ネットスケープコミュニケーションズによって開発された。当初、World Wide Web上での個人情報の送信や電子決済など、セキュリティが重要となる通信で使用されるようになった。その後、公衆無線LANの普及による中間者攻撃のリスクの増加[1]PRISMによる大規模な盗聴ネット検閲への対抗などを要因として、あらゆるHTTP通信をHTTPSに置き換える動きが活発になっている[2][3][4][5]

HTTPSは、メッセージを平文のままで送受信する標準のHTTPと異なり、SSL/TLSプロトコルを用いて、サーバの認証・通信内容の暗号化改竄検出などを行う。これによって、なりすまし中間者攻撃盗聴などの攻撃を防ぐことができる。HTTPSでは、ウェルノウンポート番号として443が使われる。

HTTPSによるセキュリティ保護の強度は、Webサーバやブラウザで用いられるSSL/TLSの実装の正確性や、使用する暗号アルゴリズムに依存する(TLSを参照)。

プロキシサーバを介してインターネットにアクセスする場合、HTTPSのSSL/TLS通信時にプロキシサーバをトンネリングする必要がある場合がある。その場合はCONNECTメソッドを使用する。

メリット/デメリット

HTTPSを利用するメリット・デメリットは、以下のとおりである。

メリット

  • 通信が暗号化されるため、改竄盗聴などの攻撃を防ぐことができる。通信の最適化も改竄の一種であるので、同様に防げる。
  • HTTP/2対応でブラウザ表示が高速化される。
  • SEOに有利になる。検索エンジン最大手のGoogleがHTTPSの導入を推進するため、自社検索サービスにおいてHTTPSの使用するウェブサイトを優遇することを発表していることによる[6][7]

デメリット

  • 無料発行サービスを除き、導入に費用がかかる。
  • SSL証明書を定期的(90日/一年など)に更新する必要がある。
  • https非対応のツールや広告、ブログパーツなどが非表示になる(後述する混在コンテンツに該当するため)。
  • 暗号化/復号が必要になるため、クライアントとサーバ共に負荷が上がる(ただし、前述のHTTP/2を併用することで負荷を表示速度で相殺できる場合もある)。
  • 古いウェブブラウザから閲覧ができなくなる。

  1. ^ 國谷武史; ITmedia (2012年3月29日). “Webサイトに“常時SSL”の実装を――団体提唱の米国で機運高まる?”. ITmedia エンタープライズ. 2019年9月21日閲覧。 “Wi-Fiスポットが特に危険とされるのは、攻撃者が正規ユーザーのすぐ近くに身を潜めて通信を傍受できてしまう可能性が高いため。”
  2. ^ 鈴木聖子; ITmedia (2014年12月16日). “HTTP接続は「安全でない」と明示すべし――Googleが提案 - ITmedia エンタープライズ”. ITmedia. 2016年11月26日閲覧。
  3. ^ 【翻訳】安全でない HTTP の廃止 - Mozilla Security Blog 日本語版” (2015年9月17日). 2016年11月26日閲覧。
  4. ^ Securing the Web” (英語). W3C (2015年1月22日). 2016年11月26日閲覧。
  5. ^ 大津繁樹 (2018年2月14日). “今なぜHTTPS化なのか?インターネットの信頼性のために、技術者が知っておきたいTLSの歴史と技術背景”. エンジニアHub powered by エン転職. 2019年9月21日閲覧。
  6. ^ 鈴木聖子; ITmedia (2014年8月8日). “WebサイトのHTTPS対応、Google検索ランキングに反映”. ITmedia NEWS. 2019年9月21日閲覧。 “米Googleは8月6日、デフォルトでのHTTPS接続を推進する一環として、WebサイトがHTTPSを使っているかどうかを検索ランキングに反映させると発表した。ユーザーがGoogleのサービスを通じてアクセスするWebサイトのセキュリティ強化を促す措置と説明している。”
  7. ^ HTTPS をランキング シグナルに使用します
  8. ^ 安全なコンテキスト - ウェブセキュリティ”. MDN Web Docs. 2020年5月9日閲覧。
  9. ^ 混在コンテンツ - Security”. MDN Web Docs. 2020年5月9日閲覧。
  10. ^ Jo-el van Bergen. “混合コンテンツとは”. Google Developers. 2020年5月9日閲覧。
  11. ^ Mark Nottingham (2019年8月20日). “Bring RFC2818 into semantics · Issue #236 · httpwg/http-core”. GitHub. 2022年7月3日閲覧。
  12. ^ Transport Layer Security (TLS) Extensions, TLS Application-Layer Protocol Negotiation (ALPN) Protocol IDs
  13. ^ CA/Browser Forum. “About the Baseline Requirements” (英語). 2021年2月12日閲覧。 “The Baseline Requirements for the Issuance and Management of Publicly-Trusted Certificates describe a subset of the requirements that a certification authority must meet in order to issue digital certificates for SSL/TLS servers to be publicly trusted by browsers.”
  14. ^ 山崎 文明 (2010年11月25日). “欧米セキュリティ事情の新潮流 SSLでは不十分、クラウド時代の暗号化”. 日経 xTECH(クロステック). 2019年9月28日閲覧。
  15. ^ HTTPSが安全とは限らない | カスペルスキー公式ブログ” (2018年1月22日). 2022年9月29日閲覧。 “今ではフィッシング詐欺の4分の1がHTTPSサイトで行われています”
  16. ^ 後藤大地 (2016年11月9日). “Google、Chromeで半数以上がHTTPSを利用と発表”. マイナビニュース > 企業IT > セキュリティ. 2017年3月16日閲覧。
  17. ^ 後藤大地 (2017年2月3日). “HTTPS、トラフィックの50%を突破”. マイナビニュース > 企業IT > セキュリティ. 2017年3月16日閲覧。
  18. ^ letsencryptのツイート(938091855941550080)
  19. ^ https://httparchive.org/reports/state-of-the-web#pctHttps
  20. ^ https://letsencrypt.org/stats/
  21. ^ https://etherealmind.com/percentage-of-https-tls-encrypted-traffic-on-the-internet/
  22. ^ 中国大陸でネット検閲の中,HTTPSでGmailなどを安全に使えるのかどうか”. モバイル通信とIT技術をコツコツ勉強するブログ. 2017年2月16日閲覧。
  23. ^ ロシアでWikipediaが禁止サイトのリストに加えられ閲覧不能に、原因は一体何だったのか?”. GIGAZINE. 2017年2月16日閲覧。
  24. ^ 大森敏行 (2019年2月25日). “韓国がアダルトサイトのブロックに使う技術、SNIの正体”. 日経クロステック(xTECH). 2020年7月19日閲覧。





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