DIIS DIISの概要

DIIS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/11 03:35 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

この手法では、イテレーションごとに、前回のイテレーションで得られた推定誤差ベクトルの線形結合が計算される。線形結合の係数は、最小二乗の意味において零ベクトルに最も近付くように決定される。新しく決定された係数を用いて、次のイテレーションで用いる変分関数を外挿する。

詳細

各イテレーションにおいて、推定誤差ベクトル ei を決定する。このベクトルは変分値 pi に対応するものとする。十分な回数イテレーションを行なった後、以前の m 回分のイテレーションの誤差ベクトルの線形結合を次のようにとる。

DIIS法では、 em+1 のノルムを、係数の総和が1という拘束条件のもとで最小化する。係数の総和を1とする理由は、試行ベクトルを厳密解 (pf) と誤差ベクトルの和として書けば理解できるであろう。DIISの近似の元では、次のように書ける。

したがって、厳密解を求めるためには係数の総和が1でなくてはならず、その上で第二項を最小化しなければならない。最小化はラグランジュの未定乗数法により行うことができる。未定乗数 λ を導入し、ラグランジアンを次のように構成する。

全ての係数および未定乗数についての L の偏微分係数をゼロとすることにより (m + 1) 本の線形方程式系が得られ、m 個の係数(と未定乗数)について解かれる。こうして得られた係数を用いて、変分関数を次のように更新する。


  1. ^ Pulay, Péter (1980). “Convergence acceleration of iterative sequences. the case of SCF iteration”. Chemical Physics Letters 73 (2): 393–398. doi:10.1016/0009-2614(80)80396-4. 
  2. ^ Pulay, Péter (1982). “Improved SCF Convergence Acceleration”. Journal of Computational Chemistry 3 (4): 556–560. doi:10.1002/jcc.540030413. 


「DIIS」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「DIIS」の関連用語

DIISのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



DIISのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのDIIS (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS