超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
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あらすじ
50万周期にわたり大宇宙で抗争を続ける巨人族の二大勢力、男のゼントラーディと女のメルトランディ。西暦2009年、その戦火は地球にも及び、ゼントラーディ艦隊の奇襲を受けた地球統合軍の巨大宇宙戦艦マクロスはフォールド(超空間跳躍)による脱出を試みるも、動力不調から太陽系外周部へ飛び出すこととなる。地球を離れる際に避難した5万8千人の民間人は、広大な艦内に市街地を建設して生活を営み始める。地球への自力帰還をめざす航海の5か月目、土星の衛星タイタン宙域から物語は始まる。
マクロス艦内でデビューした人気歌手リン・ミンメイのコンサート当日、ゼントラーディ軍ブリタイ艦隊の追撃部隊が襲来する。可変戦闘機バルキリー隊のパイロット一条輝は市街地に侵入した敵機を追いながら、戦闘に巻き込まれたミンメイを救助する。ふたりは艦内閉鎖区画に閉じこめられ、輝は憧れのアイドルと親しくなるが、芸能マスコミにスクープされ、厳格な上官早瀬未沙から独断行動を咎められる。それでも輝はミンメイのお忍びデートに付き合い、芸能生活に疲れた彼女を元気づけるため、バルキリーの複座練習機に乗せ土星の輪の遊覧飛行に連れ出す。しかし、ゼントラーディ軍の追手に捕まり、連れ戻しに来た未沙らともどもゼントラーディ艦に収容にされる。彼らは捕虜尋問のなかで、ブリタイら巨人が地球人のありふれた生活習慣に驚き、特に男女の愛情表現(キス)に衝撃を受けるということに気付く。
輝と未沙は敵艦からバルキリーで脱出するがフォールドから弾き出され、マクロスより先に地球にたどり着く。マクロスの出航後、ゼントラーディ軍の爆撃で地上は焦土と化し、生命は死に絶えていた。軍人としての使命を失い気落ちする未沙と、彼女の前であえて気丈にふるまう輝。荒廃した地球を1か月間放浪するうちに、ふたりは寂しさを分かち合い、互いに愛しあうようになる。
輝と未沙は海上に出現した巨大宇宙移民船の廃墟を調査し、先史銀河文明プロトカルチャーの情報を得る。太古の時代に単体生殖技術が進んだ結果、男と女のプロトカルチャーが争い始め、ふたつの巨人戦闘種族が生み出されたこと。争いを望まず戦火から逃れた男女のプロトカルチャーが地球に立ち寄り、地球人の祖先に遺伝子操作を施したあと、この移民船を遺してまた去っていったことなど。暮らしの跡が残る居住区で、未沙はプロトカルチャー文字の"詞"が刻まれたメモリープレートを発見する。
一方、ミンメイはゼントラーディ基幹艦隊司令ゴル・ボドルザーのもとへ連行される。ミンメイの歌声を聴いたボドルザーは巨人たちが失った「文化」を地球人が持っていることを悟り、一時的にマクロスと休戦。保存していたプロトカルチャーのメモリープレートに刻まれていた"曲"をミンメイに歌わせ、カルチャーショックでメルトランディを屈服させようと企む。
地球に帰還したマクロス艦内で、輝と未沙はミンメイと再会を果たす。輝への愛を自覚していたミンメイは、生き別れになっていた間に結ばれた輝と未沙にショックを受け、ふたりの前から行方をくらます。おりしも、メルトランディのモルク・ラプラミズ司令もプロトカルチャーの文化を得んと、大艦隊を率いて地球周辺宙域に出現。ボドルザーは歌が未完成なことを知ると、休戦協定を破り、マクロスとメルトランディへの総攻撃を指示する。ゼントラーディ対メルトランディの艦隊決戦の火ぶたが切られ、ボドルザー旗艦から放たれた主砲の直撃でラプラミズは消滅する。
輝はミンメイを見つけ出し、未沙がメモリープレートから解読した歌詞を歌ってほしいと頼む。ミンメイは失恋に傷つきながらも、歌手としての誇りを胸に歌詞を受けとり、マクロス艦橋に用意されたステージに立つ。ミンメイが歌う『愛・おぼえていますか』が戦場に響き渡ると、男と女の巨人たちは秘めたるカールチューン(文化因子)を呼び起こされ、混乱に陥る。そして「ボドルザーを倒し、再び文化を取り戻すのだ」というブリタイの呼びかけに団結する。マクロスは両軍の援護を受けながらボドルザー旗艦内部へ侵入。輝はバルキリーを駆って旗艦中枢へ単機突入し、ボドルザーにとどめを刺す。「大昔に流行した当たり前のラブソング」が時空を超えて平和をもたらし、ミンメイと未沙は互いに顔を見合わせ笑顔を交わす。
注釈
- ^ 大阪地区のみ7月7日より先行上映。関東地区は7月21日、中部東海地区は8月11日より上映。
- ^ 羽田が作曲を担当した特撮映画『さよならジュピター』(1984年)では本作のBGMが流用されている。
- ^ 徳間書店刊行のアニメージュ誌上で実施された。風の谷のナウシカは同誌連載の同名の漫画を原作者がアニメ化したものであり、テレビアニメの劇場版とは趣を異にした。
- ^ 本作ではセルを最多でJセル(10枚)まで重ねて撮影している。通常のアニメではEセル(セル5枚)までが限界である[20]。
- ^ 『マクロスF』のサウンドトラック『娘フロ。』のブックレットでは一条輝、リン・ミンメイ、早瀬未沙を題材にした連続ドラマ「トライアングラー」が放送されたとの記述がある。同ドラマが現実に放送されたテレビ版『超時空要塞マクロス』と同じものであるかは明確にされていない。
- ^ 劇場版では「ブリッジのセクションごとに使用言語が分けられている」というマルチリンガル設定がある[35]。
- ^ テレビシリーズは開局前のため、福島テレビ(TBS・フジテレビ系列→JNN脱退でフジテレビ系列に一本化)で放送された。
- ^ テレビシリーズは編成上の都合によりテレビ長崎(フジテレビ・日本テレビ系列)で放送された。
- ^ 土星リング内でブリタイ艦へ飛び込んだロイ・フォッカー機のコクピットカバーの色を、黄色から黒へ修正。
- ^ BD版は前述の『Flash Back 2012』映像をエンディングに付け加えた『完全版』と劇場公開版を1ディスクに収録しポップアップメニュー画面から選択が自在に可能だが、『完全版』では『Flash Back 2012』映像箇所のマスターが行方不明のため、その部分だけはアップコンバートで収録されている。
出典
- ^ a b “作品情報 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか”. 映画.com. 2021年4月29日閲覧。
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- ^ “全長約71センチの巨大プラモ!『マクロス 愛おぼ』VF-1バルキリー(ファイター形態)がAmazonにて予約受付中!!”. 電撃ホビーウェブ (KADOKAWA). (2019年10月18日) 2020年6月8日閲覧。
- ^ “OVA「超時空要塞マクロスII」、全6話のオールナイト上映が決定! 「愛・おぼ」「劇場版マクロスプラス」とあわせて”. アキバ総研. (2014年5月9日) 2020年6月8日閲覧。
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- ^ NHKアニメ [@nhk_animeworld] (2019年5月5日). "作品投票2位は「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」でした!". X(旧Twitter)より2021年4月29日閲覧。
- ^ 「『マクロスの証言』 河森正治インタビュー」『メガミマガジン クリエイターズ』Vol.11、学習研究社、2008年、8頁。
- ^ 『EX大衆』2006年5月号、双葉社、116頁。
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- ^ 『BSアニメ夜話 Vol.4 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』、91頁。
- ^ 「ぜひ制作したい幻のエピローグ 映画『マクロス』監督 河森正治」『アニメージュ』1984年1月号、88頁。
- ^ 『劇場版 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか ストーリー&絵コンテ』、小学館、1984年、167 - 168頁。
- ^ 『愛・みえましたかBOOK』、『アニメージュ』1984年10月号付録、徳間書店、27頁。
- ^ 河森・美樹本・片桐『おぼえていますか』、107頁。
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- ^ アニメの作画を語ろう animator interview 板野一郎(5) - WEBアニメスタイル(2005年2月1日)。
- ^ 「マクロスメディア年代記」『B-CLUB』Vol.107、バンダイ出版、15頁。
- ^ アニメの作画を語ろう ガイナックス若手アニメーター紹介(1) - WEBアニメスタイル
- ^ 「タイムトラベラーズ」の制作にあたり,ディレクター イシイジロウ氏は,どうして自らに逆境と枷を課したのか(2/2) - 4Gamer.net(2012年7月12日)2012年8月9日閲覧。
- ^ ジェシー|ジェシーのワンダーランド|Victor Entertainment
- ^ a b 船津稔 (2012年3月23日). “バンダイナムコ、「超時空要塞マクロス~愛・おぼえていますか~Hybrid Pack」。PS3のゲームと映画をBlu-ray1枚に収録。「30周年アニバーサリーBOX」も登場”. GAME Watch. 株式会社インプレス. 2023年3月20日閲覧。
- ^ a b c d e f “「マクロス」シリーズの劇場版5タイトルが装いも新たにブルーレイで登場!!”. バンダイビジュアル (2015年). 2016年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月29日閲覧。
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