複合三部形式 複合三部形式の概要

複合三部形式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/15 15:54 UTC 版)

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三部形式(下図)

A B A(')

の各部が、さらにいくつかの部分から構成されたものをいう。

この記事の図において、Aなどの記号は旋律を表し、同じ記号(A'とA')はその旋律が同一であること、プライム(')の有無は、類似していること、異なる記号(AとB)は異なっていることを示す。


複合三部形式は、複楽章を持つ楽曲の中間楽章ないし終楽章の他、古典派以降の多くの器楽曲に見られる。

その最も基本的なものは、各部が二部形式、または三部形式となったものである。例えば、各部が三部形式となったものは、

主部 中間部 主部
A B A C D C A B A

となる。 上の表で、「主部」の語は定まった言い方ではない。また、中間部を「トリオ」(Trio)と呼ぶことが多く、多くの曲で中間部の冒頭にTrioと書かれている。

またこの規模の楽曲では、曲の前後に序奏結尾部Coda(コーダ)を加えているものがある。発達したコーダの中には、中間部の再現を行うものも多い。

序奏 主部 中間部 主部 コーダ
A B A C D C A B A

2回の主部は若干違っているもの、2回目に装飾の付けられているものもあるが、全く同じであることも多い。全く同じ場合には、D. C.ダ・カーポ)やD. S.ダル・セーニョ)を使って略記する場合がある。

主部 Fine 中間部 D. C.

習慣的な反復記号は、主部や中間部ごとに、それぞれの要素に付けられることが多い。この場合、多くは2回目の主部には反復記号が付けられない。

A B A C D C A B A (各部が三部形式の曲の場合)

D. C.D. S.を使っている場合には、D. C.D. S.で戻った後(2回目の主部)反復記号を無視する。舞曲の場合には、2回目の主部を除き、習慣的な反復記号を省略しないで演奏するのが通例である。




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