耒部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/26 00:12 UTC 版)
概要
「耒」字は農地を耕すため土をかき起こし草を刈る農具である鋤、あるいはその柄を意味する。『説文解字』は「木」で雑草を表す「丯」をすく様子に象るとする。
偏旁の意符としては農具や耕作に関することを示す。このとき左側の偏の位置に置かれる。
なお印刷書体(明朝体)において康熙字典は1画目を右から下に払う筆画とした。現在、日本の新字体・中国の新字形は、「耕」のように左から右への横画としている。
ただし、日本の場合、常用漢字表内の「耕」、「耗」、「籍」(他の部首に属するが構成要素に耒を持つ)の3字のみの適用であり、表外字は康熙字典体に従う(部首字の「耒」も表外字である)。なお、耒を含む漢字は人名用漢字には2007年8月の時点で1字も存在しない。
JIS X 0208では、耒を含む漢字は常用漢字の3字を除いて全て第2水準に属しており、1983年の改訂で字形変更の対象となったものは1字も無く、使用頻度も高くないので示偏、之繞、食偏のような混乱はあまり起きていない。
なお台湾の国字標準字体・香港の常用字字形表は康熙字典に従い、右から左の払いである。
また、現在、正式な使い方ではないが、「来」の略字に「耒」が使われることはよくある(日本の戦前における常用漢字表に載った事もある)。この場合、普通は一画目は横棒の形を使う。「来」または「來」を構成要素に持つ字も「来」または「來」の部分を「耒」に置換えることがある。(例:萊(莱)→草冠に耒)
- >> 「耒部」を含む用語の索引
- 耒部のページへのリンク